和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

4カ所に公式見学場 ロケット発射に向け串本で協議

ロケット打ち上げの軌跡を示すサーチライト(和歌山県串本町の橋杭岩で)
ロケット打ち上げの軌跡を示すサーチライト(和歌山県串本町の橋杭岩で)
 和歌山県串本町田原で建設が進んでいる、民間初の小型ロケット発射場を地域活性化に生かそうと話し合っているスペースポート紀伊周辺地域協議会(会長・下宏副知事)は1日、串本町サンゴ台のホテル&リゾーツ和歌山串本で臨時総会を開いた。2021年度中の1号機打ち上げに向け、公式見学場を4カ所設置することや、交通渋滞対策などを確認した。

 協議会は串本町と那智勝浦町の町長、消防長、警察署長、観光協会長、商工会長、交通機関代表者ら20人で構成。見学場所や駐車場の整備、想定される渋滞への対策、観光客の安全確保策などについて話し合っている。この日の臨時総会には、県関係者らを含め約30人が出席した。

 パブリックビューイング(大型スクリーンを使った観賞イベント)を実施するプレミア見学場を、田原海水浴場と旧浦神小学校の2カ所に設置する計画。定員は各2500人で駐車場は設置せず、バス、鉄道、ツアーバスのみで来場してもらう。串本町総合運行公園と串本町新庁舎、那智勝浦町体育文化会館から各見学場へ向かうバスを運行する予定。有料で事前予約制。

 見学場兼臨時駐車場を旧古座高校(定員千人、400台)と旧古座川病院(定員300人、120台)の2カ所に設ける。有料で事前予約制。パブリックビューイングはない。

■駐車禁止など渋滞対策

 協議会は、ロケット発射時に見物人が約2万人、自動車が約8千台来訪すると見込んでおり、渋滞対策として各プレミア見学場入り口付近の国道42号を駐停車禁止にするなどの対策を計画している。

 質疑応答で副会長の堀順一郎那智勝浦町長から渋滞対策に対する不安の声が上がり、県の柴田和也産業技術政策課長は、さらに効果的な対策があれば追加していきたいと述べた。

■古座分庁舎に事務局

 県、串本町、那智勝浦町の職員で構成する協議会事務局を4月以降、串本町役場古座分庁舎内(串本町西向)に置くことも決まった。

 この日、承認された2021年度予算は7320万円。内訳は見学場運営費(4020万円)、パブリックビューイング運営費(2200万円)、周辺交通対策費(1100万円)。負担金は県が3660万円、串本町と那智勝浦町がそれぞれ1830万円。寄付金などに応じて行政の負担金を減額していくという。