和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

ロケットで串本を活性化 宇宙ウィークで未来語る

宇宙ウィークの一環で行われたトークイベント(和歌山県串本町西向で)
宇宙ウィークの一環で行われたトークイベント(和歌山県串本町西向で)
宇宙ウィークの会場には3日間で約千人が訪れた
宇宙ウィークの会場には3日間で約千人が訪れた
 ロケット発射場の建設が進む和歌山県串本町で12日、ロケットに関連したトークイベントがあった。発射場誘致に関わった町職員ら4人が、これまでの取り組みや今後の展望などについて語り、約50人が耳を傾けた。

 町が12~14日、同町西向にある町役場古座分庁舎で開催した「ロケットの町」をPRするイベント「宇宙ウィーク」の一環。

 町企画課の濵地弘貴課長、南紀串本観光協会の宇井晋介事務局長、アメリカ人記者ロブ・シュワルツさん、町と連携してオリジナルポスターを制作した漫画「宇宙兄弟」の編集やグッズ製作に携わっている株式会社コルクの小室元気さんが参加。町から委託を受けてロケット関連のワークショップを開いたコンサルティング会社、USPジャパンの榎坂伸也さんが司会を務めた。

 発射場の誘致活動に当初から関わった濵地課長は、建設用地の確保のために協力してくれた地権者らに感謝し、町としては協力者たちのためにもロケットを町の活性化につなげていくことが大事だと説明。誘致が成功したことで満足することなく、串本を宇宙産業の集積地にするとともに子どもの教育にも生かしていけるようにしたいと述べた。

 宇井事務局長は、町の観光の魅力は海、山、川など「他では見られない自然」が近い距離にあることだと紹介し、ロケットを見学に来る観光客に対し、温泉や食べ物などを組み合わせて売り出していきたいと話した。

 20年以上にわたって日本とアジアについて報道しているシュワルツさんは、ロケットの発射が始まると、外国人観光客も増えると指摘。洋式トイレ、無料でインターネットに接続できる公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」、キャッシュレス決済、英語での案内表示などの設備を整えておいたほうが良いとアドバイスした。

 リモートで参加した小室さんは、「宇宙兄弟」と連携した他の自治体などからは、特に子どもの関心が高まるきっかけになったとの声をもらっていると説明。グッズでは、ペンやクリアファイルの人気が高いと話した。