放棄園の実でカリカリ梅 全国一の梅産地・みなべで山の魅力を体感
山林に囲まれた放棄園で収穫した梅の実を加工する体験会が、和歌山県みなべ町清川であった。25人が参加し、炭窯見学や山づくりについての話も聞き、山の魅力に触れた。
体験会を企画したのは、地元で製炭業を営む原正昭さん(52)と、昨年秋から原さんに弟子入りし修業している山崎歩さん(34)。
虎ケ峰近くの山林に10年ほど前から放棄された梅畑があり、2人が「実がなっているのに、もったいない。山に戻すより、活用する方がよい」と思ったのが企画のきっかけ。梅漬けの「カリカリ梅」なら簡単に作れると考え、山崎さんが台湾で約2年半過ごした経験があり、現地で甘いカリカリ梅がお茶請けとして人気なのが印象に残っていたことから、台湾のカリカリ梅を作ることにした。
体験会は4日にあり、放棄園の所有者の了解を得た上で無料で実施した。町内や近隣市町の人がほとんどだったが、紀北や県外の人もいた。
参加者は放棄園で、比較的堅い実を選んで1人1~2キロずつ収穫。その後、山崎さんからカリカリ梅の作り方を教わった。この日は塩でもむなど最初の工程だけで、それぞれが持ち帰り、砂糖水などに漬けるなどして仕上げる。味を変えて楽しむために、山崎さんが用意した香辛料のマーガオ(アオモジ)も持ち帰った。
体験した田辺市文里2丁目の村上美史さん(55)は「梅干しやシロップは作ったことがあるが、カリカリ梅は初めて。今回は台湾のカリカリ梅ということなので、特に興味を持った。どんな味がするのか楽しみ」。岐阜県から訪れた高校教諭の40代女性は「地域と連携して取り組むのに参考になればと思って参加した。学校で作ってみたい」と話した。
参加者は、原さんの案内で炭窯を見学し、炭の原木が生える山林も訪れた。「木をすべて伐採するのではなく、適切な択伐(たくばつ)により山の環境を維持している」といった説明を聞いた。
和歌山市から訪れた会社員の40代男性は「和歌山に住んでいながら製炭や梅のことはよく知らない。木を利用することが森を守ることにつながっているという話を聞き、すごいことをやっていると感じた」と話した。
原さんと山崎さんは「山に興味を持つ人を増やしたい」と、今後も山菜や木の実採りなどを企画したり、山の情報を発信したりしたいという。山崎さんは「修業を始めて8カ月経つが、毎日発見の連続で奥が深い。山は多様性が必要だと実感している。山と共に生きる人がもっと増えてくれればと思う」と話している。
体験会を企画したのは、地元で製炭業を営む原正昭さん(52)と、昨年秋から原さんに弟子入りし修業している山崎歩さん(34)。
虎ケ峰近くの山林に10年ほど前から放棄された梅畑があり、2人が「実がなっているのに、もったいない。山に戻すより、活用する方がよい」と思ったのが企画のきっかけ。梅漬けの「カリカリ梅」なら簡単に作れると考え、山崎さんが台湾で約2年半過ごした経験があり、現地で甘いカリカリ梅がお茶請けとして人気なのが印象に残っていたことから、台湾のカリカリ梅を作ることにした。
体験会は4日にあり、放棄園の所有者の了解を得た上で無料で実施した。町内や近隣市町の人がほとんどだったが、紀北や県外の人もいた。
参加者は放棄園で、比較的堅い実を選んで1人1~2キロずつ収穫。その後、山崎さんからカリカリ梅の作り方を教わった。この日は塩でもむなど最初の工程だけで、それぞれが持ち帰り、砂糖水などに漬けるなどして仕上げる。味を変えて楽しむために、山崎さんが用意した香辛料のマーガオ(アオモジ)も持ち帰った。
体験した田辺市文里2丁目の村上美史さん(55)は「梅干しやシロップは作ったことがあるが、カリカリ梅は初めて。今回は台湾のカリカリ梅ということなので、特に興味を持った。どんな味がするのか楽しみ」。岐阜県から訪れた高校教諭の40代女性は「地域と連携して取り組むのに参考になればと思って参加した。学校で作ってみたい」と話した。
参加者は、原さんの案内で炭窯を見学し、炭の原木が生える山林も訪れた。「木をすべて伐採するのではなく、適切な択伐(たくばつ)により山の環境を維持している」といった説明を聞いた。
和歌山市から訪れた会社員の40代男性は「和歌山に住んでいながら製炭や梅のことはよく知らない。木を利用することが森を守ることにつながっているという話を聞き、すごいことをやっていると感じた」と話した。
原さんと山崎さんは「山に興味を持つ人を増やしたい」と、今後も山菜や木の実採りなどを企画したり、山の情報を発信したりしたいという。山崎さんは「修業を始めて8カ月経つが、毎日発見の連続で奥が深い。山は多様性が必要だと実感している。山と共に生きる人がもっと増えてくれればと思う」と話している。