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日清戦争の戦勝記念か 南部高の花壇に文字刻まれた石

チョークでなぞって分かりやすくなった石の上部(水島大二さん提供)
チョークでなぞって分かりやすくなった石の上部(水島大二さん提供)
文字が刻印された石(中央)が見つかった中庭の花壇=和歌山県みなべ町芝で
文字が刻印された石(中央)が見つかった中庭の花壇=和歌山県みなべ町芝で
 和歌山県みなべ町芝の南部高校で、謎の文字が刻まれた石が花壇に使われているのを、和歌山城郭調査研究会顧問の水島大二さん(75)=和歌山市=が見つけた。水島さんは「読み取れる文面から日清戦争の戦勝記念の可能性が高い。どこから来たのか謎が多い」と話している。

 2021年秋、古墳関係の調査で同校を訪れた際に偶然見つけた。花壇は中庭にあり、1971(昭和46)年3月の卒業記念で造られた。石は一部が埋まっている。

 水島さんは昨年秋、学校の許可を得てチョークでなぞって写真撮影をした。砂岩のため風化などで文字が分かりづらく、県立博物館(和歌山市)の学芸員に写真を送って判読してもらったところ、上部に「明治二十八年 軍勝…」、側面は「国茂當て をめでた 君万歳…」などと読み取れたという。

 学校関係者や卒業生らに確認したが、石が元あった場所やここに来た経緯などは分からなかった。上部にある明治28(1895)年は前年に起きた日清戦争が終わった年で、日清戦争にまつわる石ではないかとみている。

 同町埴田区が1962(昭和37)年に発行した「埴田区誌」に、町内で日清戦争の戦勝祝賀があり、各地区の余興として仮装行列が行われたことや出征した地区民が活躍したこと、3人が生還したことなどが書かれており、この時に記念として誰かが石に刻んだ可能性がある。

 水島さんは「この石について何か知っていることがあれば教えてほしい」と呼びかけている。3月に発行予定の「南高 学友会東京支部だより」にもこの石のことを掲載し、県外に住む卒業生からも広く情報を集める。

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