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復元した慰霊碑に祈る 新宮で土砂災害の犠牲者供養

慰霊碑に手を合わせる九重区の関係者ら(2日、和歌山県新宮市熊野川町九重で)
慰霊碑に手を合わせる九重区の関係者ら(2日、和歌山県新宮市熊野川町九重で)
 和歌山県新宮市熊野川町の九重区(20世帯)は2日、昨年復元した江戸時代建立の土砂災害慰霊碑を前に犠牲者の冥福を祈った。城和生区長(70)は「災害で犠牲になった方を弔うとともに災害に備えるという啓発の意味を込め、これからも続けていきたい」と話した。

 地区の里道沿いにある慰霊碑は、紀伊半島大水害(2011年9月)の際に同地区で発生した土石流の調査がきっかけとなって専門家が確認。散乱したような状態となっていた石造物を昨年9月に復元した。

 「此土先亡等墓」と刻まれたものと、土砂災害の発生を示唆する記述がある石碑の上に手水鉢のような形の石が載ったものなどがあり、歴史的な状況から、天明8(1788)年に起きた熊野地方豪雨災害との関連(三十三回忌)を指摘する説がある。

 この日は地域住民ら3人が参列し、線香を供えるなどして供養。参列した和歌山大学の後誠介客員教授(67)は「その地域で過去に災害があったことを知っているのと知らないのでは避難行動などの対応が変わってくる。慰霊碑を残し、伝えていくことは非常に大事だ」と話していた。

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