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農業の次世代リーダー育成へ 寄付の1億円財源に和歌山県

プラスが運営する産直市場「よってって」(和歌山県田辺市)
プラスが運営する産直市場「よってって」(和歌山県田辺市)
 和歌山県は、産直市場「よってって」を展開する「プラス」(田辺市宝来町)の野田忠会長とその家族から受けた寄付1億円を財源に、本年度から5年間、農業の次世代リーダー育成や継続的な農業教育に力を入れる。事業の一つとして11日から、若い農業者を対象に、地域農業の「将来ビジョン」のアイデアの募集を始めた。その実現を支援する。


 野田会長らが昨年12月、「農産物で事業を大きくしたので、和歌山の農業が未来も栄えるようにしてほしい」と県に「ふるさと納税」を1億円寄付した。県はこれを活用して事業を進める。

 地域農業の「将来ビジョン」の立案や実現に向けた取り組みのプランは、6月30日まで募集する。プランには「地域農業の将来ビジョン(将来あるべき地域農業の姿)」や「地域農業の課題解決に資する取り組み」「県の農業・農産物のPR、魅力発信に資する取り組み」「女性の活躍推進に資する取り組み」の各項目を全て盛り込むことを求めている。

 応募できるのは45歳未満の農業者か、代表者が45歳未満の法人や団体で、住所や主な営農地域が県内であることを条件としている。

 7月中旬に、外部の有識者でつくる審査会を開き、最優秀プラン1件を採択。受賞者に7月下旬から取り組みを開始してもらう。県は、取り組みに必要な経費を500万円まで補助する。

 取り組み期間は来年3月末まで。来年度以降も26年度まで毎年募集する予定という。

 県経営支援課は「新しい技術や販売方法などアイデアを持っている青年もいると思う。そういった人に今回をチャンスに、実行してほしい。農業発展につながる事業にしたい」としている。


■研修や農業体験支援も

 野田会長からの寄付金を活用した事業ではこのほか、就農直後の人や農業を志す大学生らを対象に、アメリカやドイツなどへの海外農業研修も支援する。「国際農業者交流協会」が募集している事業の参加対象になれば、6人程度に対し、国と合わせて1人最大80万円を補助する。

 また、幼少期から農業に触れる機会を提供することを目的に、小中学生の栽培体験や職業体験の支援なども本年度から始めている。本年度中に、農林大学校や農業試験場などに先進技術習得のための施設や機器の整備もする予定という。

 詳細の問い合わせは県経営支援課(073・441・2931)か、各振興局の農業水産振興課へ。


■田辺市は基金創設

 野田会長とその家族は昨年度、田辺市にも農業振興のため計1億円を寄付している。市はそれを原資に「市農業みらい基金」を創設している。

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