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校内暴力やいじめ減少 和歌山県教委が問題行動まとめ

和歌山県内公立校のいじめ認知件数
和歌山県内公立校のいじめ認知件数
 和歌山県教育委員会は13日、2020年度の県内公立校に通う児童生徒の問題行動について発表した。新型コロナウイルスによる休校や分散登校によって触れ合う機会が減った影響などで、いじめや暴力行為は小中高とも前年度より減少した。一方で不登校は増加傾向が続いている。


 文部科学省の調査で、県教委は県内分をまとめた。20年度に認知された県内公立校のいじめ件数は小学校4755件(前年度比968件減)、中学校353件(152件減)、高校76件(58件減)、特別支援学校21件(5件減)。

 「認知漏れがないよう、軽微な事案も積極的に対応してきた」ことなどから、全体的に増加傾向にあり、特に小学校は19年度まで4年連続で過去最多を更新していたが、20年度は減少した。

 暴力行為は、全体的に減少傾向にあり、20年度はさらに減った。小学校は65件(前年度比32件減)、中学校142件(44件減)、高校50件(2件減)。特に小学校は17年度の142件から3年連続減少し半分以下に、中学校も2年連続減り、18年度の393件の4割以下となった。

 県教委はいじめ認知件数や暴力行為件数減少の要因の一つとして、新型コロナ感染拡大防止のための分散登校や休校措置などにより、児童生徒同士が関わり合う機会が減ったことを挙げている。

 各学校では丁寧に実態を把握し、問題行動の防止や早期発見、指導に努めるなどしてきたという。新型コロナによる誹謗(ひぼう)中傷についても、これが起こらないよう人権意識を高める取り組みを推進してきたとしている。

■不登校は増加続く 小学生は3年で1.7倍に

 一方、不登校については増加傾向が続いている。小学校は367人(前年度比73人増)、中学校849人(37人増)、高校421人(23人増)。小学校は3年連続の増加。17年度の1・7倍になり、少なくともここ10年ほどでは最多となった。中学校も3年連続で増え、1・2倍になった。

 千人当たりの人数も増加。小学校8・3人、中学校40・0人で、最多だった19年度を超えた。増加は全国的な傾向でもあるという。

 不登校の主な要因は小中高とも「無気力・不安」。ほかは小学校では「親子の関わり方」、中学校では「いじめを除く友人関係」、高校では「生活リズムの乱れ、遊び、非行」なども挙げられる。新型コロナ感染の不安で登校しなかった児童生徒は、県内公立校では出席停止扱いとなるため、不登校には含まれないが、増加の要因として、休校などによる生活リズムの変化が影響した可能性も考えられるという。

 感染不安のために長期間登校しなかった児童生徒は私立などを含め、小学校40人、中学校9人、高校70人だった。

 対策として、各学校では欠席しがちな児童生徒の情報を集約したり、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置したりする取り組みをしており、今後も継続するとしている。

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