和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

スマート農機、見て知る 上富田のミカン園で70人

農薬散布用ドローン機の実演を見る農家やJA、行政の職員ら(15日、和歌山県上富田町岡で)
農薬散布用ドローン機の実演を見る農家やJA、行政の職員ら(15日、和歌山県上富田町岡で)
 農作業の軽減につながる「スマート農機」の実演会が15日、和歌山県上富田町岡のミカン園であった。農家やJA、行政の職員ら約70人が参加し、農薬散布用のドローン(小型無人機)やリモコン式自走草刈り機などの最新機器が活用される現場を見た。

 果樹栽培が盛んな県内では、農家の高齢化や後継者不足の課題がある。産地を維持するためには省力化や品質の向上が必要だとして、県が、ロボット技術やICT(情報通信技術)など先端技術を取り入れた「スマート農業」を推進するために企画した。2019年9月にみなべ町西岩代の梅園で開き、今年3月に上富田町岡のミカン園でも計画していたが、雨で延期になっていた。

 今回、県うめ研究所が代表機関となって実証に取り組んでいる井澗正晴さん(46)のミカン園で実演した。

 披露したのは農薬散布用ドローンやリモコン式自走の草刈り機と運搬車、肥料散布機、パワーアシストスーツの5種類。開発事業者や県職員らが特徴を説明しながら、操作してみせた。

 ドローンは、スマートフォンで設定して自動で飛ばす仕組み。パワーアシストスーツは、モーターによって、持ち上げや中腰、持ち下げの作業と急傾斜での運搬を補助してくれるという。

 参加者は実演される機器を撮影したり、特徴を詳しく聞いたりして関心を寄せていた。

 ドローンに興味があって参加したという田辺市長野の40代農家は「使用する農薬に課題はあるが、これからの農業で必要な機器だと思う。近く導入できればと思っている」と話していた。

 県はさまざまな機器の展示や講演をするスマート農業フェアを、11月に田辺市内で開いたのに続き、来年1月13日に和歌山市内でも予定している。