和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月16日(土)

リクエスト受け付けます 高校再編懇談会、11月末まで県教委 

高校再編について質問する懇談会参加者(8日、田辺市の紀南文化会館で)
高校再編について質問する懇談会参加者(8日、田辺市の紀南文化会館で)
 県立高校の数を現在の3分の2程度に再編すべきだとした有識者会議の答申について、県教育委員会は懇談会の開催期間を11月末まで延長した。当初は10月12日まで県内5カ所で開催する懇談会のみの予定だったが、より多方面から意見を聞くため。団体が対象で、申し込みは11月6日まで。


 県教委は9月27日から再編案を説明する懇談会を県内5カ所で開催している。ただ、新型コロナウイルス感染防止のため、参加者は各会場100人程度に限定されていた。参加者からは「もっと多様な意見を聞いてほしい」「説明が足りない」などの声があり、要望に応じて懇談会を開催することを決めた。

 再編案では、和歌山市以外の地域は普通科高校を各市域に1校。工業、商業、農業が専門的に学べる学校(または学科)を紀北、紀南に各一つ。和歌山市は普通科高校4校と工業、商業、総合学科の拠点校を各1校としている。現在29校ある全日制高校を20校程度にするイメージ。

 県教委は寄せられた意見も踏まえ、本年度中に具体的な再編整備計画をまとめる考え。清水博行教育企画監は「意見を言いたいのに言えないという状況は避けたい。できる限り間口を広げたい」と懇談会の活用を呼び掛けている。

 懇談会はグループ、団体が対象で、規模は問わない。会場の手配、設営は申し込み側で行う。希望者は件名を「県立高等学校の今後の在り方についての懇談会申し込み」とし、氏名、電話番号を明記して、電子メール(e5001001@pref.wakayama.lg.jp)で申し込む。日程の都合などで開催できない場合もメールなどを通じ、対応したいという。

 問い合わせは県教委総務課教育政策班(073・441・3641)へ。

田辺で懇談会

 有識者会議の高校再編に関する答申を県教委が説明する地方懇談会が8日、田辺市であった。市と周辺地域では普通科高校(1学年6学級程度)、工業科や商業科を集約した専門高校、総合学科と専門学科を併設した高校を各1校に再編すべきだとの考えを示した。

 田辺市と周辺地域については、私立高校や他地域の高校への進学が極めて少ない▽特色のある学校があるため、紀南エリア全体から下宿して進学する生徒もいる―と指摘。既存の工業、商業、農業の各学科についても評価した。

 この日の懇談会は紀南文化会館であり、約50人が参加した。参加者からは「1学級40人を前提にしているが、多様な生徒に対応するためにも30人学級が望ましい」「6学級が適正との根拠はない」などの意見が出た。県教委は「30人学級の方向性は良いと思う。ただ、現状では対応できるだけの教師数を確保できない」と答えた。