和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

レジャーごみ放置や密漁を監視 みなべ漁業振興協が海岸パトロール

海岸を巡回し、レジャー客にごみ処理や密漁禁止を啓発するみなべ町漁業振興協議会のメンバー(和歌山県みなべ町堺で)
海岸を巡回し、レジャー客にごみ処理や密漁禁止を啓発するみなべ町漁業振興協議会のメンバー(和歌山県みなべ町堺で)
パトロールと合わせて海岸で集めたごみ
パトロールと合わせて海岸で集めたごみ
 和歌山県みなべ町の漁業者らでつくる町漁業振興協議会は8~10日の3日間、町内の海岸をパトロールし、レジャー客にごみを放置しないことや密漁は犯罪であることなどを呼び掛けた。密漁は確認されなかったが、バーベキュー後とみられるごみの放置があった。パトロールは16日にも予定している。

 町内の海岸では、レジャー客によるごみの放置や密漁事案が相次ぎ、漁業者や地元住民を困らせている。昨年、議会は町の取り組みとして、漁業法にのっとり厳正に対処することや、海上保安庁や警察と連携を図り、密漁撲滅、秩序維持に努めることなどをうたう「町の海岸の秩序を維持し密漁を撲滅する宣言」案を可決。町は同町堺の森の鼻に防犯カメラを設置し、協議会は昨年度から、環境省の「マリンワーカー」事業を受けてパトロールや清掃にも取り組んでいる。

 この3日間は、各日とも協議会のメンバー6人や町職員らが「パトロール実施中」「密漁監視中」と書いたのぼりを持ってパトロール。森の鼻や二子の浜、南部海岸、目津、岩代の海岸を回った。

 家族連れなど海水浴やレジャーの客に「海のレジャーはルールとマナーを守って楽しみましょう」「密漁は犯罪です」と書いたチラシを配布。沿岸海域は共同漁業権が設定されており、権利者以外がイセエビやアワビ、ナガレコなどを捕ることは禁止されていること、ヤスやモリを使って魚などを捕ることも禁止されていること、ごみは持ち帰って処理することを呼び掛けた。

 また、町内、県内、県外のどこから来たかや、釣りや磯遊び、海水浴、バーベキューなど利用目的、どのようにしてこの場所を知ったかなどのアンケートも取った。

 ごみの回収もしたが、プラスチックの漂着ごみのほか、網やフライパン、ガスやビールなどの空き缶、ペットボトルといったバーベキューで使ったとみられるごみもあった。集めたごみは軽トラック2台分あった。関係者は「地道に啓発活動を続けていくしかない」と話している。

 パトロールは16日もする予定で、漂着ごみの多い目津海岸で清掃する。秋にも海岸清掃を計画している。