和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月16日(月)

援農バケーション実施へ視察体験 近畿農政局

梅の選果作業を写真撮影する近畿農政局職員(右手前)=和歌山県みなべ町晩稲で
梅の選果作業を写真撮影する近畿農政局職員(右手前)=和歌山県みなべ町晩稲で
梅の収穫を体験する近畿農政局職員(和歌山県みなべ町熊岡で)
梅の収穫を体験する近畿農政局職員(和歌山県みなべ町熊岡で)
 都市部の企業から、有給休暇を利用して和歌山県みなべ町に来てもらい、梅の収穫の手伝いと観光を楽しんでもらおうという「援農バケーション」の実施に向けて、近畿農政局の職員が12、13日、同町を視察で訪れた。企業に紹介するための写真を撮影したり、梅の収穫を体験したりした。

 援農バケーションは援農者がボランティアで作業し、代わりに農家側が宿泊の場や食事を提供する。近畿農政局が企画し、2月に同町で説明し、モデル的に取り組んでいくことになった。はじめは町内5軒くらいの農家で援農者の受け入れを計画している。

 当初は今シーズンからの実施を計画して準備を進めてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響のため延期となり、来シーズンに向けた準備として農政局職員4人が訪れた。同町晩稲の梅農家、山本康雄さん(57)の園地で落ち梅を収穫したり、倉庫で選果作業を手伝ったりした。

 経営支援課の橋本一也課長(58)は「普段、事務仕事をしている人には新鮮に感じるはず。特に食品関連の企業であれば双方にメリットがあると思う。企業と産地をうまくマネジメントして、ゆくゆくは地元で続けられるモデルになれば」、岡本紘幸係長(41)は「自分が体験することで、援農に来てもらう上でどんな課題があるかも見えてくる。援農に来る人がまた来たいと感じることができ、また農家にとってもメリットがないと続かないので、その折り合いが必要」と話した。

 山本さんは「援農者がたとえプロの7、8割の仕事量であったとしてもよい。みなべ町はウミガメの産卵地で温泉もあるし、梅ジュース作りなどもし、梅を知って、観光も楽しんで帰ってもらえるような取り組みになれば」と期待する。

 農政局によると、新型コロナのために来シーズンに延期となる前には、関心を示す企業が何社かあったといい、今後時期を見て企業を訪ね、今回撮影した梅の収穫などの作業の様子を収めた写真や動画を見せながら、来シーズンの実施に向けた調整をしていく。

 できれば本年度中に企業の人に来てもらい、梅の天日干しを見てもらったり、梅ジュース作りなどを体験してもらったりするなど、産地との交流会のような機会をつくることができればとも考えているという。