和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

すっきり一新 田辺駅前商店街の景観整備完了

電柱がなくなりすっきりした田辺駅前商店街。アーケードはシェードに変わった(和歌山県田辺市湊で)
電柱がなくなりすっきりした田辺駅前商店街。アーケードはシェードに変わった(和歌山県田辺市湊で)
景観整備前の田辺駅前商店街(2017年11月撮影)
景観整備前の田辺駅前商店街(2017年11月撮影)
 和歌山県田辺市が進めていた田辺駅前商店街(田辺市湊)の景観整備事業が完了した。通りの電柱がなくなり、アーケードは小型の屋根(シェード)に変身。歩道や車道も舗装を一新した。商店主らは「すっきりと美しくなった。見に来るだけでもいいので、ぜひ足を運んでいただきたい」と呼び掛けている。

 駅前商店街は道路を挟んで両側に約150メートル、約60店が並ぶ。まちの玄関口で、世界遺産の闘雞神社(同市東陽)へ続く道でもある。市は商店主らと協議して世界遺産のまちをイメージできる景観をデザインした。事業期間は2017年4月~20年5月末、総事業費は4億9248万円。

 まず着手したのがシェードの整備。アーケードは近隣にない同商店街の特徴だったが、1971年の設置で老朽化していた。アーチ看板とともに撤去し、新たに日よけ、雨よけとなる幅約2メートルのシェードを設置した。シェードの柱の前面は発光し、屋根を照らす間接照明とともに夜間は光の演出で通行人を楽しませる。

 シェードの上に電線を通すことで、通りにあった計10本の電柱は撤去した。歩道は改修して点字ブロックを設置、車道はアスファルトを張り替えた。

 駅前商店街振興組合の中野真理理事長は「電柱がなくなり、空間が広く感じる。新型コロナウイルスも落ち着いてきた。まずは地元の方にまち歩きや買い物を楽しんでもらいたい。夜の照明もぜひ見てほしい。私たちも商店街に足を運んでもらえる仕掛けをしていきたい」と話している。

 JR紀伊田辺駅から徒歩10分圏内の約1・4平方キロは17年春、国の「景観まちづくり刷新モデル地区」に指定された。田辺駅は19年夏に新駅舎が完成。駅前商店街の角地では8月のオープンに向け、市街地活性化施設の建設も進んでいる。

 市商工振興課は「中心市街地の街並みは大きく変わっている。ここから、にぎわいを生んでいきたい」としている。