和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

国に再流行の備え要望へ 近畿ブロックの知事がウェブ会議

仁坂吉伸知事らがウェブで参加する「近畿ブロック知事会議」(28日、和歌山県庁で)
仁坂吉伸知事らがウェブで参加する「近畿ブロック知事会議」(28日、和歌山県庁で)
 近畿地方などの知事による「近畿ブロック知事会議」(会長=仁坂吉伸和歌山県知事)が28日、ウェブ方式であり、新型コロナウイルスの再流行に備え、保健医療体制の強化や経済の立て直し策などを国に要望していくことを決めた。

 近畿6府県と福井、三重、鳥取、徳島の計10府県の知事が出席した。仁坂知事は和歌山県庁から参加し「第2波に備え(感染者の)早期発見、早期隔離、徹底した行動履歴調査が可能な強靱(きょうじん)な保健医療体制を再構築する。同時に経済の復興を進め、段階的に社会経済活動を取り戻すために引き続き、各県で力を合わせたい」とあいさつした。

 大阪府の吉村洋文知事は、新型コロナ患者だけを受け入れる専門病院を2施設設けたことや大規模抗体検査を6月に実施することなどを報告。重症者対策として「国立のICU(集中治療室)センターを首都圏と関西圏に備えてほしい」と述べた。

 奈良県の荒井正吾知事はPCR検査について「国は重症化予防に特化し過ぎていた」と指摘した。

 また、徳島県の飯泉嘉門知事は、厚生労働省が昨年、再編統合の議論を促す公的公立病院の名称を公表したことを取り上げ「公的公立病院は新型コロナ対策に積極的に協力対応してくれた。病院がいかに重要かを強く言っていく必要がある」と強調した。

 生活者らの支援としては、兵庫県の井戸敏三知事が「あまり議論されていないが、リーマンショック後のような緊急雇用対策事業を用意する必要がある」と指摘した。

 会議後、仁坂知事は「感染者の早期発見、早期隔離を各府県ともできるように、国は再認識して、基準を作っていくべきだ」と話した。また、「各府県の保健医療制度で、大変だったことやうまくいったことの経験や情報を集積できる仕組みを作りたい」との考えも示した。