和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

悪質販売や解約トラブルの相談増加 新型コロナで県消費生活センター

和歌山県西牟婁総合庁舎
和歌山県西牟婁総合庁舎
 新型コロナウイルスに関連した消費者トラブルが増加している。和歌山県消費生活センター(和歌山市手平)には、マスクを注文したが別のものが届いた、結婚式の解約に高額な費用を求められたといった苦情相談が寄せられている。受け付けが始まった給付金申請に関連した不審電話の相談も5月以降増えており、詐欺や個人情報の詐取に注意するよう呼び掛けている。


 センターに寄せられた新型コロナ関連の苦情相談は1月には1件だったが、2月に13件、3月に46件、4月に155件(速報値)と増加した。

 5月は20日までに60件(同)と減っているが、センターは大型連休で開所日が少なかった影響もあるとした上で、今後増える可能性があるとしている。

 1~4月の計215件のうち、半数近くの100件がマスクなどの「保健衛生品」関連。通販サイトでマスク2箱を注文したが、届いたのはマスクの絵がある冊子2冊。返品を申し出たが、交渉中に受信拒否された▽通販サイトでマスクや消毒液を注文したが届かない―などの苦情がある。センターは「信頼できる出店者から購入することが重要。通販サイトやクレジットカード会社に対応を依頼してほしい」と助言している。

 結婚式の延期や解約などの相談も目立った。「挙式の解約を申し出たところ、100%の解約料が必要と言われた」といったケースなど。センターは「通常は事業者の約款に従うことになるが、感染拡大防止による自粛は想定外のことなので話し合いでの解決が望ましい。事業者は合理的根拠のない解約料は請求できないため、納得できない場合は事業所に明細の提出を求めてほしい」と助言している。

 スポーツジムの会員解約やツアー旅行、宿泊施設のキャンセルなどに関する相談も多かった。感染リスクを心配して解約を申し出たが、業者側は休業や中止していないとして、返金トラブルになったケースもあった。

 また、公的機関を名乗り、個人情報を聞き出そうという不審電話を受けたという相談もあり、5月以降増えているという。県を名乗る電話で「特別定額給付金の申請に必要」と言われ、マイナンバーカードの情報を伝えたという相談があったほか、新型コロナ対策本部をかたり消毒を口実に個人情報を聞き出す電話も確認されていて「おかしいと思ったらすぐ電話を切ってほしい」と呼び掛けている。

 相談は県消費生活センター(電話=073・433・1551、電子メール=shcenter@wcac.jp)か、センター紀南支所(0739・24・0999)へ。センターは感染拡大防止のため、可能な限り直接の来所は避け、まず電話などで連絡してほしいと呼び掛けている。

■19年度 苦情相談は4855件

 県消費生活センターは2019年度の苦情相談件数が、前年度より426件少ない4855件だったと発表した。

 ただ、健康食品と化粧品関係は目立って増加した。健康食品は318件で前年度より124件(64%)、化粧品は152件で前年度より69件(83%)増えた。

 いずれも、ネット広告を見て購入したが、定期購入契約になっていたというケースが多いといい、幅広い年代層から寄せられた。下痢や肌の腫れなど副作用を訴える相談もあったという。