和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月21日(金)

34年連続で下落 住宅地変動率は全国最下位、和歌山県内公示地価

商業地で地価が上昇した和歌山県白浜町の浜通り
商業地で地価が上昇した和歌山県白浜町の浜通り
和歌山県印南町以南の地価上昇地点
和歌山県印南町以南の地価上昇地点
 和歌山県は18日、1月1日時点の県内公示地価を発表した。住宅地の昨年比の平均変動率はマイナス0・6%(全国平均2・1%)で4年連続全国最下位、商業地はマイナス0・2%(3・9%)で高い方から39番目だった。いずれも下落幅は3年連続で縮小したが、34年連続の下落となった。

 住宅地は111地点、商業地は61地点を調査した。平均変動率は、このうち昨年以前から継続して調査している住宅地109地点、商業地59地点の地価の動きから算出した。

 地価調査の県代表幹事で不動産鑑定士の美濃部元秀さんは、下落が続いている要因に、人口減少などを挙げた。下落幅が縮小したのは、全国で経済が上向いてきた影響としている。また、市街地や津波被害の想定区域外の高台で上昇している一方、郊外や津波被害想定区域では需要が弱く、二極化が進んでいるという。

 住宅地の上昇地点数は25カ所で、4年連続で増加。和歌山市15地点、田辺市と白浜町、上富田町の各2地点、海南市、岩出市、有田川町、串本町の各1地点で上昇した。利便性の高いことや、津波被害の想定区域外の高台にあることなどで需要が高まったとみられる。

 上昇率が最も高かったのは「和歌山市太田神ノ畔152番」の2・2%。前年より3千円(1平方メートル当たり)上昇し14万円となった。紀南では「田辺市神島台19の5」が1・3%(千円)と県内3番目に高く、7万5100円。5位は「上富田町南紀の台19の28」で、1・1%(400円)上がり3万5200円となった。

 下落したのは72地点、横ばいは12地点だった。

■商業地、白浜に上昇地点 和歌山市以外は8年ぶり

 商業地の上昇地点数も住宅地と同様、4年連続で増えて25カ所。和歌山市が23カ所で岩出市と白浜町が1カ所だった。和歌山市以外に上昇地点があったのは、2017年以来8年ぶりという。

 上昇率の最高は「和歌山市紀三井寺南前浜621番1」の1・8%で、2年連続。2千円高い11万2千円となった。白浜町の上昇地点は「浜通り3742番24外」で、昨年より0・2%(100円)高い6万4千円だった。美濃部さんによると、白浜町は外国人観光客が増えたことが影響したとみられるという。

 商業地で下落したのは29地点、横ばいは5地点。

 価格の最高地点は、住宅地が「和歌山市美園町2丁目80番」で17万6千円。JR和歌山駅近くで、9年連続で最高。商業地もJR和歌山駅に近い「和歌山市友田町5丁目50番外」で45万5千円。県内最繁華地域で26年連続で最高となった。