和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月29日(日)

厚底シューズに熱い視線 ジュニア駅伝の選手

中学生が練習で使用している厚底シューズ(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
中学生が練習で使用している厚底シューズ(和歌山県田辺市上の山1丁目で)
 陸上長距離界で話題の厚底シューズが、第19回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会(16日、和歌山市)でも注目を浴びそうだ。練習で使用している選手は「速く走れる」「反発力がすごい」と好感触を得ている。陸上関係者は「若年層にも浸透している。今大会では確実に厚底が増えるだろう」とみている。

 米スポーツ用品大手ナイキの厚底シューズは、高いクッション性と反発力を売りにしている。今年の箱根駅伝(1月2、3日)で、8割以上の選手が履いた。全国都道府県対抗男子駅伝大会(1月19日、広島市)でも中学生から実業団選手まで、多くの選手が使用。口熊野マラソン(2日、上富田町)でも目立った。

 ジュニア駅伝に臨む田辺市チームでは、男子中学生9人のうち、6人が厚底シューズ。スピード持久力や心肺機能を高める練習で使用している。その一人、上秋津中学校3年の合川歩輝君は「疲労感もあるけれど、スピードは出る」と手応えを感じている。

 市民ランナーとして50回以上フルマラソンに出場している田辺市の公務員、太田洋さん(50)は「シューズの反発力を生かす走り方をすれば、スピードアップが期待できる。ただ、ジュニア駅伝は長い区間でも3キロ程度。タイムへの影響はそれほどないと思う。記録が伸びたとすれば、日頃の練習成果」とエールを送る。

 同シューズは、男子マラソンの世界記録保持者、エリウド・キプチョゲ(ケニア)が昨年の特別レースで履き、記録非公認ながら史上初めて2時間を切ったことで注目された。18年に設楽悠太(ホンダ)、大迫傑(ナイキ)が男子マラソンの日本記録を更新するなど好結果が相次いだ。