700万円のスギ 里帰り 伐採現場訪ねる、城所さん作品へ、和歌山県田辺市龍神村
和歌山県田辺市龍神村の木材市でおよそ30年前、1本約700万円という過去最高額がついた地元産のスギの原木が、村外から龍神村に「里帰り」している。地元在住のチェーンソーアーティスト城所ケイジさん(58)がスギの所有者から依頼を受け彫刻作品にする。制作を前に、城所さんが関係者とともにスギが伐採された現地を訪れ、林業について見聞きし、作品制作への意欲を新たにした。
このスギは龍神村殿原の山で切り出され、伐採当時で樹齢およそ200年だった。地元の植樹事業の初期に植えられたとみられる。生えているころから立派なスギだと評判があり、切り出されると地元の木材市で目玉として競りにかけられた。旧田辺市にある製材所が競り落とした。高額な部分では1立方メートル当たり約100万円で、今もその記録は塗り替えられていない。
木材市以降スギがどこにあったかは詳しく分からないが、知人を通じてスギを入手し村外で保管していた県内の事業家がこのほど、城所さんにチェーンソーアート作品の制作を依頼したため龍神村に運び込まれた。
そのスギはいつしか伝説の木といわれるようになっていた、とのルーツを知りたいと城所さんらがこのほど、木材市を運営している龍神村森林組合職員とともに、切り出された山が見える対岸を訪ねた。
当時スギの搬出に立ち会ったという同森林組合の玉置基業務課長(58)が、ひときわ貫禄のあるスギとして知られていたことなどを振り返った。真砂佳明組合長(57)も、地元で引き継がれる良材をつくるための工程を紹介し、「自分は直接当時を知らないが、伝説といわれた木が龍神に戻ってきて、さらに多くの人に見てもらえる作品になるのはうれしい」と期待を口にした。
村内にある城所さんの作業場に保管されているスギは長さ2・1メートルで、縦半分に切ったものが2本ある。直径で1メートル弱ある断面は年輪が細かくそろい色も均一で、品質の良さが一目で分かるという。
スギは仁王像の作品にする予定で近く制作に取りかかる。城所さんは「(殿原の伐採現場を訪れて)自然や土地に畏敬の念を抱くというような気持ちになった。威厳さえ感じられるこのスギにふさわしい彫刻の完成を目指したい」と話している。
このスギは龍神村殿原の山で切り出され、伐採当時で樹齢およそ200年だった。地元の植樹事業の初期に植えられたとみられる。生えているころから立派なスギだと評判があり、切り出されると地元の木材市で目玉として競りにかけられた。旧田辺市にある製材所が競り落とした。高額な部分では1立方メートル当たり約100万円で、今もその記録は塗り替えられていない。
木材市以降スギがどこにあったかは詳しく分からないが、知人を通じてスギを入手し村外で保管していた県内の事業家がこのほど、城所さんにチェーンソーアート作品の制作を依頼したため龍神村に運び込まれた。
そのスギはいつしか伝説の木といわれるようになっていた、とのルーツを知りたいと城所さんらがこのほど、木材市を運営している龍神村森林組合職員とともに、切り出された山が見える対岸を訪ねた。
当時スギの搬出に立ち会ったという同森林組合の玉置基業務課長(58)が、ひときわ貫禄のあるスギとして知られていたことなどを振り返った。真砂佳明組合長(57)も、地元で引き継がれる良材をつくるための工程を紹介し、「自分は直接当時を知らないが、伝説といわれた木が龍神に戻ってきて、さらに多くの人に見てもらえる作品になるのはうれしい」と期待を口にした。
村内にある城所さんの作業場に保管されているスギは長さ2・1メートルで、縦半分に切ったものが2本ある。直径で1メートル弱ある断面は年輪が細かくそろい色も均一で、品質の良さが一目で分かるという。
スギは仁王像の作品にする予定で近く制作に取りかかる。城所さんは「(殿原の伐採現場を訪れて)自然や土地に畏敬の念を抱くというような気持ちになった。威厳さえ感じられるこのスギにふさわしい彫刻の完成を目指したい」と話している。