和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年03月24日(月)

3年間の成果フルコース披露 保護者ら招き卒業発表会、和歌山県南部高校調理コース

趣向を凝らした料理に目を見張る保護者ら(和歌山県みなべ町芝で)
趣向を凝らした料理に目を見張る保護者ら(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町芝、南部高校の食と農園科で13日、調理コースの初の卒業生となる3年生19人が「卒業発表会」をした。3年間で学んだ料理の知識や技術を生かし、保護者らにフルコースを振る舞った。


 調理コースは、調理師免許を取得できるコースとして2022年度に開設された。1期生である3年生はこれまで和洋中の料理で知識を深め、技術を磨いてきた。

 発表会では保護者らが見守る中、グループごとに分担して生徒が考えたメニューを作った。料理は1品ごとに給仕し、保護者らに説明をした。アミューズ、前菜、焼き物、主菜、デザートの構成。焼き物の「竜宮城からの贈り物」は、ハモのローストとエビイモの天ぷらをお重に入れ、ふたを開けると燻製(くんせい)の煙がふわっと立ち上がるなど、趣向を凝らした料理の数々に「すごい」と保護者らから歓声が上がった。

 中﨑鈴さん(18)は「初めてのコース料理で、練習通りにうまくいったところと少し失敗したところもあったけれど、保護者の皆さんの笑顔を見ることができて良かった」と笑顔で話した。

 父親の自営業、中﨑真一さん(45)=田辺市上秋津=は「地元の野菜をたくさん使っていて彩りも美しく、楽しめた。子どもたちが、これだけできるようになったのがすごい。これからもまだまだ成長すると思うと、将来が楽しみ」と話した。

 有田川町西ケ峯の谷本律子さん(71)は「1品ごとに運んでくれるので、次はどんな料理が出るのかと楽しめた。全て手の込んだ料理でおいしかった。皆の成長を感じた」と笑顔を浮かべた。

 調理コース担当の田上稚子教諭は「この3年間の学びが、これらの料理という形になって表れていると思う。料理が好きという思いを持って卒業してくれたらうれしい」と話した。