【動画】「皆地笠」の伝統守る 唯一の後継職人に密着 田辺市本宮町
いにしえから熊野古道を歩く人たちに愛用されてきたという和歌山県田辺市本宮町の伝統工芸品「皆地笠(みなちがさ)」。唯一の継承者として伝統の技を長年守ってきた芝安男さん(103)=本宮町皆地=から学んだ梅崎健一さん(66)=本宮町土河屋=が2024年春に「桧屋(ひのきや)皆地笠」という屋号を掲げ、職人として本格的に船出した。伝統を守ろうと奮闘する、ただ一人の後継者に密着した。
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■「準備が大変」
皆地笠の主な原材料はヒノキと真竹。それらを集め、材料に加工するところから笠作りがスタートする。梅崎さんは「準備が大変。編むこと自体は練習すれば誰でもできるが、材料を作るのが仕事の6~7割を占める」と話す。
梅崎さんは山仕事に長年携わってきた経験を生かしてヒノキの原木を調達。年輪が中央にあって目が詰まっており、節のない木が良い。良木があれば声を掛けてもらえるようにしているが、使える木は何十本に一本程度と少ない。
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