和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

かつお節香るシフォンケーキ ふわっと 南部高と和み、和歌山

かつお節香るシフォンケーキを持つ櫨畑颯友さん(右)と大谷真代さん
かつお節香るシフォンケーキを持つ櫨畑颯友さん(右)と大谷真代さん
 和歌山県印南町印南の観光交流施設「かえるの港」を運営する「和み」(和歌山市)は、南部高校(みなべ町)の食と農園科調理コースの生徒とオリジナル商品の開発に取り組んでいる。試作品のシフォンケーキは甘さの中にもかつお節の香りがふわっと広がる味わいとなっている。12月7日にかえるの港で開かれる「こどもフェスティバル」で試験販売を予定している。


 印南町はかつお節発祥の地。和みの大谷真代シニアマネジャーはかつお節を使ったスイーツを学生と一緒に作ってみたいと考え、南部高校に協力を依頼。印南町出身で食と農園科調理コースの3年生の櫨畑颯友さん(18)が興味を持ち賛同した。南部高校と和みの共同開発は今後も続くが、今回は櫨畑さんが卒業前に、取り組んでいる。

 当初はかつお節のだしを利かせたどら焼きを作ったが、あんこの味に負けるなどの理由から断念。行き詰まっていたところ、かえるの港内のかき氷専門店「CHULA(チュラ)」で販売している「和歌山氷」に注目。かき氷にかつお節と梅干し、ウツボの揚げ煮がトッピングされており、異色の組み合わせでもおいしいスイーツができることに衝撃を受けたという。

 和歌山氷を参考に、よりだしの味をしっかり感じられるよう、シフォンケーキに変更。かえるの港で販売されているかつお節とさば節をブレンドしたり、細かく砕いたかつお節を入れたりして試行錯誤を重ねた。シフォンケーキの甘さの中にかつお節の風味が広がる味に手応えを感じた。

 今月上旬に南部高校で販売会議を開き、当日の販売方法や納品の段取りなどを確認した。試験販売するシフォンケーキの味はかつお節のほか、梅、オレンジ、ココアの4種類。櫨畑さんのレシピを基に調理コース全員で計100個ほど作り、1個100円で販売する。販売は午前11時~午後3時で、なくなり次第終了する。

 櫨畑さんは「協力して作ったスイーツを販売できると思うとうれしい。当日は僕も店頭に立つ予定なので、ぜひ買いに来てほしい」と話した。