和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

住み続けたい地域へ 新しい自治へ中学生以上にアンケート、和歌山県田辺市上芳養

会の名前についてアイデアを出し合う上芳養地区の住民有志ら(和歌山県田辺市上芳養で)
会の名前についてアイデアを出し合う上芳養地区の住民有志ら(和歌山県田辺市上芳養で)
 和歌山県田辺市上芳養の地域づくりを考える「上芳養向上委員会」は、中学生以上の全住民を対象にアンケートをする。住民一人一人の考え方を聞き、地域づくりの参考にするのが目的。「将来も住み続けたい地域」を目指し、課題や解決策を探る。


 少子高齢化や社会情勢の変化で自治会の運営が難しくなる中、田辺市は地域課題に対応できる新しい自治の形を模索している。上芳養は本年度、モデル地域に選ばれた。新庄地域に続き2件目。

 アンケートは多くの世代の意見を取り入れるため、「1世帯1回答」ではなく、「1人1回答」にする。中学校では地域課題の学習を進めているため、中学生も含めた。対象は約1400人。

 質問項目は、交通手段の確保や地域との関わり方など。困り事については「利用料を負担しても解決を手伝ってもらいたいか」や「解決を手伝えるか」なども聞き、地域内で助け合いが可能か調べる。

 「伝統文化の継承」や「避難訓練」「高齢者の見守り」など地域活動は、重要度や満足度も確認する。重要度が高いと感じているのに満足度が低い分野が明らかになれば、今後の活動見直しにつなげる。

 調査は11月に1カ月かけて実施予定。用紙は町内会を通じ、市広報紙と併せて配布する。回答はインターネットでもできる。

 先行する新庄地域では、今年2月に実施し、回収率は約30%だった。

 上芳養向上委員会の名称は10月上旬にあった会合で決めた。多数の案が出た中、一目で活動が分かり、親しみやすいと選んだ。