和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月27日(水)

「第三十五回 伊藤園お~いお茶新俳句大賞」入賞作品発表

応募総数約189万句、応募作品数日本一の創作俳句コンテスト 文部科学大臣賞をはじめ、入賞2,000作品が決定

【文部科学大臣賞】川崎 智美(かわさき ともみ)さん 38歳 福岡県福岡市
二億年の地層の春っぽい部分

【金 子 兜 太 賞】菱木 あかね(ひしき あかね)さん 11歳 千葉県市川市
ランドセル暴れる文豪つめこんで

※受賞者の年齢は応募時のものです。

株式会社伊藤園(社長:本庄大介 本社:東京都渋谷区)は、昨年11月から今年2月までの間に国内を含む世界60か国の507,631名より1,889,582句の作品をご応募いただいた作品から、2,000句の入賞作品を選考し、10月9日(水)に発表しました。

最高位の文部科学大臣賞を受賞されたのは、福岡県福岡市の川崎 智美(かわさき ともみ)さんの作品「二億年の地層の春っぽい部分」です。金子兜太賞には、千葉県市川市の菱木 あかね(ひしき あかね)さんの作品「ランドセル暴れる文豪つめこんで」が選ばれました。

今回文部科学大臣賞を受賞された川崎さんは、子育てをしながら働くワーキングウーマンで、手軽にできる趣味を探す中で俳句と出会い、通勤や休憩時間を使って、日々俳句の創作を続けて表現力を磨いておられます。また金子兜太賞を受賞された菱木さんは、年間500冊もの本を読む読書家で、豊富な読書経験から培った感性を創作に活かしています。お二人とも、趣味を通じて創作力と表現力を高め、今回の受賞に至りました。そのほか各部門(小学生の部、中学生の部、高校生の部、一般の部 A(40歳未満)、一般の部 B(40歳以上)、英語俳句の部、新俳句フォトの部)の大賞作品も、各分野の第一人者である11 名の最終審査員によって、自由で豊かな表現力のある作品が選ばれています。

文部科学大臣賞から佳作特別賞を受賞された2,000 名の方には、製品パッケージに自分の作品が掲載された特別生産品の「お~いお茶」をプレゼントいたします。

なお、11 月 3 日(日)より「第三十六回 伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の募集を開始いたします。詳細は新俳句大賞ホームページをご確認ください。(https://itoen-shinhaiku.jp



[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2571/96451/700_370_202410071328156703635f18792.jpg


文部科学大臣賞
賞金:50万円 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」1ケース、受賞作品掲載額、入選作品集[自由語り]

二億年の地層の春っぽい部分
川崎 智美(かわさき ともみ)さん 38歳 福岡県福岡市

(選評)
早春の切り立つ崖に、二億年前ともおぼしき地層の断面を見たのです。その断面の綾なす模様に、春を思わせる気配を宿しているからでしょう。スケールの大きい地層にも、今につながる季節の彩りの変化が滲み出て来ると、地層の表情もにわかに身近に感じられる部分があるように思われます。「春っぽい部分」とは、その春めく身近さが、なんとなく表情にも現れるからに違いありません。友達とのいつもの親し気な話しっぷりで、身近感が一層迫ります。


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/2571/96451/200_267_202410071328146703635ef1faa.jpg


【作者コメント】

恐竜の研究をしている方の講演を聞く機会があり、地層の面白さ、奥深さを知ってつくりました。その方の講演で印象的だったのが、「地層から何かを発掘するときは、見つかると思っていないと見つからないのです」という話で、この作品の“春っぽい部分”というのは、具体的に春を感じる部分が見えたのではなく、地層の中にも春を感じるような部分があると思っていれば、それを発見できるのでは、という気持ちを表現したものです。


金子兜太賞
賞金:20万円 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」1ケース、受賞作品掲載額、入選作品集[自由語り]

ランドセル暴れる文豪つめこんで
菱木 あかね(ひしき あかね)さん 11歳 千葉県市川市

(選評)
今日も大好きな文豪作品をランドセルにつめこんで、友達にも自慢げに見せたり話したりしようとしています。皆の興味深か気な羨ましそうな顔が楽しみで、急いでいるのでしょう。文豪作品もワーイと喜んでランドセルの中で暴れているようですね。そんな作品達をつめこんだあたりが、兜太賞にふさわしい行動的な言い切り方。


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/2571/96451/250_188_20241007132816670363606a94f.jpeg


【作者コメント】
高学年になり、文豪作品が大好きになった私は、ひどい時には毎日ランドセルに10冊もの本を詰めこんで登校していました。特にお気に入りだった乱歩や太宰の本達が毎朝「今日も連れて行きなさい!私の作品から読みなさい!」と暴れているような気がして、嬉しくて駆け出す自分の光景も含めてこの句を詠みました。


大賞
賞金:20万円 賞品:賞状、受賞作品掲載「お~いお茶」1ケース、受賞作品掲載額、入選作品集[自由語り]

【小学生の部(幼児含む)】 応募総数437,931句
ふでばこにしまうやわらかいはるのくさ
小宮 花菜(こみや はな)さん 8歳 東京都中野区

(選評)
春になって、元気よく育ったやわらかい草を摘んできて、ふでばこにしまっておきます。すると、なんだか春の草から元気をもらったような気持ちになってきて、ふでばこの中の鉛筆までが、春の陽気に誘われて嬉しそうに感じられます。


【中学生の部】応募総数484,015句
コーンスープ残り一粒反抗期
小西 悠生(こにし ゆうせい)さん 14歳 兵庫県川西市

(選評)
コーンスープをおいしそうに頂いています。うまい。コーンの一粒一粒の口当たりに、軽い抵抗感があって、その食べ応えがなんとも言えない旨味です。コーンの残り一粒を丹念に噛んでみると、その名残り惜しいばかりの噛み応えが、反抗期の子の最後の意地っぱりのようで、かえって愛らしい気がしてきますね。


【高校生の部】 応募総数809,083句
鯨鳴く届かぬ声は僕が聴く
谷口 蓮於(たにぐち れお)さん 18歳 大阪府大阪市

(選評)
鯨は、声帯がないために、鼻の奥にあるひだを振動させて音を出すのだそうです。その独特の声は、届きにくいものでしょうが、僕なら鯨の気持ちを察して聴いてやれるよというのでしょう。十八才の作者の、届かぬ思いの丈のように、僕なら察してやれるのにと思っているからではないでしょうか。


【一般の部A(40歳未満)】 応募総数44,680句
日記書く自分と飲みに行きたい日
水関 実法子(みずせき みほこ)さん 27歳 北海道函館市

(選評)
いつもの日記を書いている或る日、なんだかくさくさして、やり切れないようなうんざりした気分がしています。こんな日は、ほかの誰でもなく、そんな自分だけと一緒に飲みに行きたいなと思う。飲んで一度きれいさっぱりと、自分をリセットしたい気持ちです。そんな気分を日記に書いて、そうすればよかったと悔いているのです。でも、日記に書いただけでも少しは落ち着いたのではないでしょうか。


【一般の部B(40歳以上)】 応募総数80,344句
グレイヘアの紅いヘアピン若葉風
安藤 浄子(あんどう きよこ)さん 80歳 兵庫県明石市

(選評)
高齢の婦人の品のいいグレイヘアに、紅いヘアピンが覗いています。そのさりげないお洒落が、とてもチャーミングで、若葉風の吹き渡る川沿いの道に、しっとりした情感のようなピンポイントをもたらしています。夫との散歩の途中で、そんな人とすれ違っただけなのに、なぜかその川沿いの道が、もっと好きな道になったのかも知れません。私もあんな風に老いたいなとも思いつつ。


【英語俳句の部】 応募総数30,629句
first date
wrong shoes
can't concentrate
(直訳)初めてのデート/この靴じゃなかった/ずっとうわのそら
奥山 華(おくやま はな)さん 17歳 兵庫県三田市

(選評)
初デートは緊張する。相手と波長が合えば楽しく広がるが、ぎこちないまま終わる可能性もある。魅力的な自分を演じたいのに、途中で「この靴じゃなかった!」と気づき、ひどく気にしている。そんな流れを、この句は鮮やかに語順だけで語る。しかもdateとconcentrateで韻を踏んでいる。小説家のフィッツジェラルドは昔「魅力とは、自分のことをまるで気にせずにのびのびと振る舞う状態だ」と解説した。果たしてデート終了まで、作者は靴事件を引きずったのか、続きの句も読みたい。

【新俳句フォトの部】 応募総数2,910句
元旦に友と二人で待つ日の出
奥野 恭平(おくの きょうへい)さん 21歳 三重県度会郡


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/2571/96451/200_267_202410071328156703635f09204.jpg


(選評)
俳句は一件凡庸に見えるが、日の出と人間の関係が見事に描かれている。写真のスケールが身近な焚火から、はるか遠い宇宙までつながっているように感じられ、自然な感じでありながら、こまやかで鋭い神経が俳句と写真に覗きみられた。俳句がもっている季節感をしっかり踏んでいて、奥行きのある俳句と写真だったと思う。


※文部科学大臣賞~一般の部B大賞作品選評 最終審査員 安西 篤氏
※英語俳句の部大賞作品(直訳) 最終審査員 星野 恒彦氏
※英語俳句の部大賞作品(選評) 最終審査員 アーサー・ビナード氏
※新俳句フォトの部大賞作品選評 最終審査員 浅井 愼平氏
※各受賞者の年齢はすべて応募時のものです。


第三十五回伊藤園お~いお茶新俳句大賞 応募要項

■応募部門(7部門)
「小学生の部(幼児含む)」 「中学生の部」 「高校生の部」
「一般の部A(40歳未満)」 「一般の部B(40歳以上)」 「英語俳句の部」
「新俳句フォトの部」 ※左記の要項については他部門と一部異なるため、別途表記

■募集要項(新俳句フォトの部以外)
●主催
伊藤園新俳句大賞実行委員会

●応募方法
ハガキ、FAX(A4サイズ)、インターネットのいずれかの方法で、日本語、英語を合わせてお一人様6句までご応募いただけます。「応募部門と作品」「郵便番号」「住所」「氏名」「年齢」「電話番号」「Eメールアドレス」「句会・学校名・サークル名(所属している場合のみ)」を明記してご応募ください。
●応募宛先
ハガキ:〒102‐8553  東京都千代田区紀尾井町3‐23 「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」係
FAX:03‐3263‐5668
インターネット:https://itoen-shinhaiku.jp
●応募締切
2024 年2月29日(木) 当日消印/送信有効
●賞(入賞2,000名様、入選5,000名様 合計7,000名様)
入賞:日本語俳句より文部科学大臣賞1名様(賞金50万円と副賞)、金子兜太賞1名様(賞金20万円と副賞)、各部門より大賞1名様・計6名様(賞金20万円と副賞)、優秀賞44名様、審査員賞11名様、後援団体賞10名様、都道府県賞240名様、佳作特別賞1,683名様の合計1,996名様の作品を「お~いお茶」のパッケージに掲載いたします。
入選(佳作):部門問わず5,000名様に、賞状を進呈いたします。
●審査員(50音順、敬称略)
日本語俳句:浅井愼平(写真家)、安西篤(俳人)、いとうせいこう(作家・クリエイター)、
金田一秀穂(日本語学者)、神野紗希(俳人)、夏井いつき(俳人)、
堀田季何(俳人・文芸家)、宮部みゆき(作家)、村治佳織(ギタリスト)、
英語俳句 :アーサー・ビナード(詩人)、星野恒彦(俳人)
●発表
伊藤園ホームページなどにて入賞入選作品7,000句を2024年10月9日に発表。また、応募者には審査結果を順次郵送またはメールにて通知いたします。尚、入賞作品2,000句を2025年春以降に「お~いお茶」シリーズのパッケージに掲載いたします。
※募集要項は応募当時のものです。

■募集要項(新俳句フォトの部)
●応募期間
第1回:2023年11月3日(金・祝)~ 2023年12月10日(日)
第2回:2023年12月11日(月)~ 2024年1月14日(日)
第3回:2024年1月15日(月)~ 2024年2月29日(木)
※各回、締切後に月間賞5作品を決定し、発表  
※受賞者には入賞通知がダイレクトメッセージで届きます。
●応募方法
・X(旧Twitter)で伊藤園新俳句大賞公式アカウント( https://x.com/itoen_newhaiku
)をフォロー
・ご自身の写真と俳句(すべて未発表に限る)を「#新俳句フォト #おーいお茶」の ハッシュタグをつけて投稿する
※1回の投稿につき1作品(1俳句+1画像のセット)のみ
●応募資格
・本キャンペーンの実施要項全てに同意された個人の方
・X(旧Twitter)のアカウントをお持ちの方(18歳未満の場合は保護者の同意を得た上でご応募)
※アカウントを非公開にしている方は、応募対象外となります。
●賞
新俳句フォト賞:各回5名 計15名様 「お〜いお茶」1ケース
<新俳句フォト賞に選ばれた15作品の中から以下の賞を選出>
大賞:1名様 賞金20万円と副賞
優秀賞:3名様 賞金5万円と副賞
●審査員(敬称略)
浅井愼平(写真家)
※詳細は伊藤園新俳句大賞ホームページ(https://itoen-shinhaiku.jp
)をご参照下さい。


参考資料 伊藤園お~いお茶新俳句大賞について

俳句は、独自の細かい約束ごと(季語、定型など)が重んじられます。しかし、この約束ごとを満たさなくても素晴らしい句はたくさんあります。約束ごとにとらわれない表現は初心者が取り組みやすいと同時に、ベテランと同じ土俵で「表現力」を競い合うことが出来ます。「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」は、創作上の制限をできるだけ省き、五・七・五のリズムで自由に表現することが可能です。

また、伊藤園の「お~いお茶」は、全国で多くの方々に愛飲されており、そのパッケージは、メディアとしても活用できます。1989(平成元)年に誕生した「お~いお茶」は、いつでもどこでもおいしい緑茶を飲んでいただこうと開発した伊藤園の日本茶飲料ブランドであり、創作上の制限を設けない「新俳句」は「お~いお茶」にふさわしいものだと考えました。短文表現の発表の場として、自社製品のパッケージを開放することは現代にマッチした新しい文化活動であると考えております。

第一回に41,373句であった応募作品数は、今回で累計応募総数が約4,550万句になりました。

最近では、俳句を取り上げたテレビ番組が人気になるなど、これまで俳句との接点が少なかった中高生や、若い世代の俳句への関心が高まっているほか、教育現場でも日本文化の継承として俳句創作が定着しつつあります。第三十五回は、国内の小学校944校、中学校985校、高校1,158校、合わせて3,087校からご応募を頂きました。ちなみに、全国の高校のうち、4校に1校程度の学校が新俳句大賞に取り組んでいただいていることになります。


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/2571/96451/700_370_202410071328156703635f45813.jpg




プレスリリース詳細へ https://digitalpr.jp/r/96451
提供: