和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月21日(木)

日中友好への貢献に感謝 中国に帰国したパンダ「永明」32歳の誕生祝う

和歌山県日中友好協会がパンダ「永明」の誕生日を祝って飾る竹明かり(和歌山市の紀三井寺で)
和歌山県日中友好協会がパンダ「永明」の誕生日を祝って飾る竹明かり(和歌山市の紀三井寺で)
 昨年2月に和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドから中国に帰国したパンダ「永明(えいめい)」が14日、32歳の誕生日を迎えた。県日中友好協会(中拓哉会長)はこの日、和歌山市の紀三井寺境内に「竹明かり」を飾り、誕生日を祝うとともに、長年日中友好に貢献してきたことを感謝した。

 永明は1992年9月14日に中国で誕生。94年9月6日に雌の「蓉浜(ようひん)」とともに来園し、日中共同繁殖研究が始まった。永明は16頭の子ども誕生に貢献した。

 感謝行事は、45年前に日中平和友好条約を祝って紀三井寺境内に建立された日中友好記念碑前であった。会員らのほか紀三井寺の前田弘孝執事も出席。「祝永明三十二才」と書いたものを含む7本の竹明かりを飾り、参加者で「ハッピーバースデー ディア 永明」と歌って祝った。

 竹明かりは高さ約30センチ、直径約10センチ。協会の高垣晴夫事務局次長が発案し、会員や活動の賛同者が竹の表面に穴を開けて永明を描いた。紀三井寺近くの山で採取した竹を使った。

 中会長は7月、岸本周平知事らとともに中国四川省の「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」を訪問。同施設トップの尹志東主任を通じ、永明への感謝状と、永明が白浜にいたときに好んで食べたという大阪府岸和田市の竹で作った竹明かりを贈った。

 中会長はパンダや永明について「中国と日本の友好交流の象徴として果たした役割は大きい」とした上で「中国とは政治的にはたまにけんかすることもあるが、切っても切れない関係。どんなことがあっても友好を続けていきたい」と話した。