和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月26日(火)

3カ月の新規受入停止 上富田の障害者施設で虐待、和歌山

 職員の1人が利用者10人に繰り返し虐待をしていた問題で、和歌山県は7日、上富田町岩田の知的障害者福祉施設「南紀あけぼの園」に対し、9月1日から3カ月間、新規利用者の受け入れを停止する行政処分を発表した。虐待を把握していた同僚職員が上司に報告せず、発覚が遅れたことも処分の理由としている。

 南紀あけぼの園は県福祉事業団(日置美次理事長)が運営する。県によると、30代女性職員(懲戒解雇)は1月1日、利用者の目と口を養生テープでふさぎ、自身のスマートフォンで写真を撮影しながら嘲笑するという身体的、心理的虐待をしたという。これを目撃したり、撮影画像を送られたりして複数の職員が虐待を把握していたが、上司らへの報告や通報をしていなかった。

 別の職員が2月27日に施設の管理者に報告したことで発覚。その後の内部調査や関係市町の監査で、加害職員は昨年4月以降、ほか9人の利用者に対してもたたく、蹴る、部屋に押し込めるなどの虐待を繰り返していたことが分かった。

 県の調査に対し、虐待を報告しなかった職員は「(加害職員は)力関係が強く、報復が怖かった」などと答えたという。