和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

潮風の休憩所 開所10年 木曜島の史実伝える、本州最南端の和歌山・串本

望楼の芝にある「本州最南端 潮風の休憩所」(和歌山県串本町潮岬で)
望楼の芝にある「本州最南端 潮風の休憩所」(和歌山県串本町潮岬で)
 和歌山県串本町潮岬の望楼の芝にある「本州最南端 潮風の休憩所」が、今月で開所10周年を迎える。同町とのつながりの深いオーストラリア北部の木曜島に関する資料を展示している。太平洋を眺めながらくつろげる休憩スペースもあり、多くの人が利用している。


 潮風の休憩所は、地域の文化や自然を発信する環境省の施設として2014年7月にオープンした。町が維持管理し、年中無休で管理人が常駐している。町によると、5月末までに延べ約64万人が利用した。今年4月末から5月末までの集計では、ゴールデンウイーク期間が重なったこともあり、7千人以上が訪れたという。

 館内では、明治から昭和初期にかけて白蝶貝を求め、多くの同町出身者らが木曜島に移住した歴史に関する資料を展示している。「世界一危険な職業」と言われた白蝶貝の採集に使った潜水服やヘルメットなどが並び、当時の生活が感じられる。

 吉野熊野国立公園やラムサール条約湿地に指定されている串本の海で生息する生物、南紀熊野ジオパーク、日本遺産「鯨とともに生きる」に関連したパネルも展示している。太平洋を一望できる展望テラスやトイレもある。

 管理人の一人、清野由美さんによると、本州四端を巡っている人、望楼の芝でキャンプする人、家族連れ、インバウンド(訪日客)などさまざまな人が利用している。「串本町と木曜島のつながり、休憩スペースも美しい海が見えて景色が良い。もうすぐ夏休みに入るので、多くの人に来ていただきたい」と話した。

 開館時間は午前9時~午後5時。入館無料。

 問い合わせは潮風の休憩所(0735・62・5750)へ。