和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月25日(月)

標準宅地32年連続下落 変動率は全国最低、和歌山県内路線価

和歌山県内の最高路線価
和歌山県内の最高路線価
 和歌山税務署は今年(1月1日時点)の和歌山県内の路線価を発表した。標準宅地の平均変動率はマイナス1・0%で、3年連続で、全国で最も下落幅が大きかった。下落は1993年から32年連続で、平均変動率が近畿6府県で最も低くなったのは2011年から14年連続。

 近畿府県全体の平均変動率は1・8%上昇した。上昇は2年連続。大阪府の上昇率3・1%が最も高く、下落したのは和歌山県と奈良県(マイナス0・2%)の2県だけだった。

 和歌山県で下落が続いている要因について、不動産鑑定士の分析などにより、住宅地では人口減少や高齢化の進行を背景に、津波被害の懸念のある海抜の低い地域や農家集落地域の需要が弱い傾向にあるためなどとみられるという。

■県内最高は和歌山駅前
田辺管内は新万
 県内の最高路線価は28年連続で和歌山市友田町5丁目(JR和歌山駅前)。1平方メートル当たり37万円で、前年より1万円(2・8%)上昇した。昨年まで10年連続で横ばいだったが、新型コロナウイルスによる行動制限が撤廃され、飲食利用客や旅行者数がコロナ前の水準に戻り、繁華性の回復が認められるため、やや上昇したと推測されるという。

 田辺税務署管内で最も高かったのは田辺市新万(市道中万呂礫坂線)で9万4千円。この箇所は最高路線価となった16年は8万6千円だったのが19年に9万4千円まで上がったが、その後は横ばいが続いている。

 津波被害に対する防災意識の高まりから需要が高いが、供給が少ないため、横ばいになっているとみられるという。

 このほかの税務署管内の最高路線価は、海南管内の海南市名高(国道370号)が下落したが、残り4署管内で横ばいとなった。

 路線価は、相続税などの申告の便宜を図るために毎年公開しており、国税庁ホームページでここ7年分が閲覧できる。