和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

高台移転の設計に着手 すさみ病院、規模も検討

高台移転に向けた基本設計が始まる、すさみ病院(和歌山県すさみ町周参見で)
高台移転に向けた基本設計が始まる、すさみ病院(和歌山県すさみ町周参見で)
 和歌山県すさみ町は、国保すさみ病院(すさみ町周参見)の高台移転に向けた基本設計事業を始め、建物の規模などを考える。岩田勉町長は「町民のために、いかに病院を残すかという視点が一番大切」と話している。

 病院は南海トラフ巨大地震で想定される津波浸水の想定区域内にあり、町は、紀勢自動車道すさみインターチェンジそばの造成地への移転を計画。町内で数少ない医療機関として住民の安心を支えてきたが、町人口や患者数の減少傾向もあり、経営状況を考慮しながら、移転する際の規模も併せて検討している。

 現時点で、町は2022年度から移転先での建設を始めたいとの青写真を描く。基本設計を終えれば、それを基にした実施設計に取り掛かる予定。病床数で「25床前後」という規模がベースになる。

 町議会12月定例会では、一般質問をした議員6人のうち3人が、すさみ病院について町の考えを聞いた。

 答弁に立った岩田町長は、現在の診療科(内科、外科、リハビリテーション科と週1回の整形外科)について「変えるつもりはない」と述べたほか「将来の町にふさわしい病院となるよう、柔軟に検討していきたい」とも答えた。

 また、厚生労働省が9月に「再編・統合の議論が必要」として全国424の病院名を公表し、すさみ病院が含まれたことについては「すさみ病院は地域にとって不可欠」との考えを改めて強調した。

■移転の設計費を可決 すさみ町議会が閉会

 すさみ町議会12月定例会は11日、閉会した。すさみ病院の高台移転に向けた基本設計の費用1400万円を盛り込んだ町一般会計補正予算案や、町長ら特別職の給与と議長を除く議員の報酬を引き上げる条例改正案などを原案通り可決した。

 給与・報酬の引き上げは来年1月分から。町長は60万円から1割引き上げた66万円となり、西牟婁郡内の3町では最高額になる。上富田、白浜の町長の給与はいずれも64万8千円。