和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月24日(火)

再編や統合の病院名公表で厚労省を批判 和歌山県知事

 厚生労働省が、診療実績が少ないことなどを理由に、再編や統合などの議論が必要とした公立・公的病院を公表したことについて、仁坂吉伸和歌山県知事は1日の定例記者会見で「病院を維持できるか考えないといけないのは設置者。合併や再編、閉鎖は厚労省が決めることでもないし、そんな権限は何一つ持っていない。やり過ぎだし、余計なお世話」と批判した。

 医療介護総合確保推進法の成立を受け、都道府県は2025年時点で適正な病床数などを示す「地域医療構想」を策定。これを基に、地域ごとに医療関係者により具体的な協議が進められている。

 一方で、病床削減が進んでいない現状を受け、仁坂知事は「焦った厚労省が、刺激するため非効率な病院はたくさんあるぞと発表したのでは。余計なお世話は名前まで言ってしまったこと」と批判。さらに「再編したらどうかというのは、完全に法律を逸脱している。非効率だが市民のために維持すべきだと病院設置者が思ったら、資金をつぎ込んでも維持したらいい」と述べた。

 同省は9月26日、再編統合の議論が必要とする全国424病院を公表。県内では海南医療センター(海南市)、国保野上厚生総合病院(紀美野町)、済生会和歌山病院(和歌山市)、国保すさみ病院(すさみ町)、那智勝浦町立温泉病院の5病院が該当した。