和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月11日(水)

植物由来の商品試食 観光客増で勉強会、和歌山県田辺市龍神村

勉強会では、大豆ミートや、動物性の原材料を使っていないグルテンフリーのだしなどを試食した(和歌山県あ田辺市龍神村安井で)
勉強会では、大豆ミートや、動物性の原材料を使っていないグルテンフリーのだしなどを試食した(和歌山県あ田辺市龍神村安井で)
試食会で提供した、唐揚げや炙り焼き、しょうが焼きといった大豆ミートの商品
試食会で提供した、唐揚げや炙り焼き、しょうが焼きといった大豆ミートの商品
 動物由来の食品を食べない「ベジタリアン」(菜食主義者)や「ビーガン」(完全菜食主義者)の観光客への対応を考えようと、和歌山県田辺市龍神村安井の龍神市民センターで23日、勉強会があった。旅館など宿泊施設の関係者ら約10人が参加し、大豆ミートといった植物性の原材料のみを使った商品を試食した。


 自身も「ビーガン」であるチェーンソーアート元世界チャンピオンの城所ケイジさん(57)=龍神村柳瀬=の発案。各地でインバウンド(訪日客)が増加していることを受けて、健康や地球環境への配慮、宗教上の理由から動物性の食品を食べない外国人の受け入れについて考えてもらおうと、龍神観光協会や龍神村商工会の協力を得て、開催した。

 勉強会は、龍神村にある四つの温泉の関係者でつくる「龍神温泉郷協会」(龍神享一会長)に呼びかけて参加者を募った。

 この日はまず、城所さんがベジタリアンに関する海外の現状を説明した。欧州ではほとんどのレストランでベジタリアンに対応したメニューを表記していることや、スーパーマーケットなどで植物由来の多くの商品が販売されていることなどを、写真を交えて紹介。「日本では個々の店で対応できるようにしているが、温泉街全体として取り組んでいるのは少ない」と、早くから対応を考える意義を訴えた。

 その後、参加者は植物性の原料のみを使った大豆ミートや、大豆などで作った麺、グルテンフリーのだし、卵を使っていないマヨネーズなどの商品を試食した。

 城所さんは「良い雰囲気で、おいしいと言ってもらえて反応は良かった。ベジタリアンやビーガンの人たちに対応できるようになれば、観光振興につながり、一つの強みにもなる。今後インバウンドが増えてくることを見越して、理解が深まるよう取り組み、メニュー考案のフォローもしていきたい」と話した。