和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

甘くて味も濃い 「木熟みかん」出荷開始

木熟みかんの出荷で選別作業をするJA紀南の職員(4日、和歌山県田辺市下三栖で)
木熟みかんの出荷で選別作業をするJA紀南の職員(4日、和歌山県田辺市下三栖で)
 和歌山県田辺・西牟婁で栽培される温州ミカンのブランド「木熟みかん」の出荷が始まった。JA紀南(本所・田辺市朝日ケ丘)を通じ主に県外に出荷されており、地元でもスーパーマーケットに並ぶ。来年2月下旬まで続く。

 木熟みかんは、木になったまま熟した糖度が高く、味が濃い早生温州ミカン。田辺・西牟婁の温州ミカンの主力で、通常の木熟みかんに加え、より糖度が高いものを上から「木熟201」「極天」「天」の順でランク分けして販売している。価格はその分高くなるが、人気があるという。

 今季は4日から本格的に出荷が始まった。田辺市下三栖の総合選果場で、光センサー選果機を使って傷や腐敗などを判別し、大きさや品質別に箱詰めして出荷する。出荷先は、関東を中心に中京や京阪神、東北などの市場。

 JA紀南指導部によると、今季は不作傾向で、味に影響する糖度も平年よりやや低めだという。

 販売部によると、販売数量の目標は昨季と同数の1300トン。市場価格(平均)は通常の木熟みかんで1キロ当たり300円、「天」で500円を目標にしている。

 JA紀南みかん部会長の前田泰輔さん(47)=上富田町岡=は「糖度の低さが心配されたが、ここに来て、平年に近い品質に仕上がってきている。ぜひ味わってもらいたい」と話している。