和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月26日(日)

功績や思い出語る 自然保護に尽力した玉井さん(和歌山・田辺市)をしのぶ会

玉井済夫さんをしのぶ会で献花する出席者(和歌山県田辺市高雄2丁目で)
玉井済夫さんをしのぶ会で献花する出席者(和歌山県田辺市高雄2丁目で)
 天神崎の保全活動に尽力した和歌山県田辺市の玉井済夫さん(享年85歳)をしのぶ会が13日、同市内のホテルで営まれた。多くの関係者が集まり、自然保護や生物調査の功績、生前の人柄、思い出を語り合った。

 玉井さんは高校教員、校長を務め、両生類など県内の生物の調査研究や保護に携わった。天神崎の別荘開発計画を知り、1974年から故・外山八郎さんら市民有志と「天神崎の自然を大切にする会」を立ち上げ、寄付を集めて土地を買い取る「ナショナル・トラスト運動」を続けた。

 しのぶ会に来場した人は玉井さんの遺影の前で献花し、冥福を祈った。玉井さんと関わりが深い、天神崎の自然を大切にする会や南紀生物同好会、熊野の森ネットワークいちいがしの会、田辺随筆クラブの会長などがそれぞれ思い出を語った。

 玉井さんが大塔山系でテントで泊まりがけでカモシカ調査をしたり、神島に船を出して鳥のウを防除する作業をしたり、天神崎の自然観察教室で丁寧に説明をしたりした在りし日の姿が伝えられた。参加者は「物静かだが、時に鋭い意見を言った」「精神的な大きな支柱だった」「たくさんのことを教え、導いていただき感謝している」などと振り返った。

 しのぶ会を計画した、天神崎の自然を大切にする会の土永知子代表理事(64)は「会は先生の遺志を継いで、自然を大切にし、未来からの預かりものを、未来の子どもたちに渡すことができるように努力を続けていきたい」とあいさつ。

 玉井さんの妻、眞美さん(81)は「人とのつながりを大切にし、亡くなるまで皆さんと一緒に好きな生き物や環境に関わってこられたことは、大変幸せな一生だったと思います。人も自然も大好きでした。本当にありがとうございました」と述べた。

 運動を通じてつながりのある北海道の「知床100平方メートル運動推進北海道支部」の関係者も出席。白浜町で育ち、高校3年時に玉井さんが担任だった、元新聞記者の野村六三さん(67)=札幌市在住=の姿もあり「先生たちのエネルギーには驚く。いろんな時にお世話になった」と感謝していた。

 会場では、玉井さんが随筆クラブの随筆集「土」に寄稿した、田辺市の神島やオオダイガハラサンショウウオ、教員時代のことをテーマにつづった文集も配布された。