富田川河川敷の上空で餌を捕まえたウスバキトンボ(和歌山県白浜町保呂で、坂井正人さん撮影)
民家の軒先で一休みするウスバキトンボ(和歌山県白浜町大古で、小松原昭太さん撮影)
海を越えてくる南方系のウスバキトンボが、和歌山県紀南地方に飛来している。今後、飛来数が増え、繁殖を繰り返しながら北上するとみられる。
ウスバキトンボは体長5センチ前後の中形トンボ。薄いだいだい色をしている。飛行力が強く、季節風に乗って南方地域から飛来する。日本では一部地域で繁殖しているが本州では確認されていない。5月頃から一気に増える。北上しながら複数回世代交代するが、冬に幼虫(ヤゴ)は死滅してしまう。
紀南では、富田川や日置川の河川敷などの開けた場所でよく見かける。県立自然博物館(海南市)の学芸員によると、紀南は3月下旬から、紀北は4月中旬から飛び始める。