和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月22日(日)

【動画】満天の星と「クマノザクラ」 100年ぶりに確認の新種桜、和歌山・古座川町で満開

満天の星の下でほぼ満開となったクマノザクラの名木(3日午後8時ごろ、和歌山県古座川町峯で)=長時間露光
満天の星の下でほぼ満開となったクマノザクラの名木(3日午後8時ごろ、和歌山県古座川町峯で)=長時間露光
ほぼ満開となったクマノザクラの名木(4日午前8時半ごろ)
ほぼ満開となったクマノザクラの名木(4日午前8時半ごろ)
 和歌山県古座川町内の各地で「町の花」であるクマノザクラの開花が進み、4日現在、同町峯にある名木が一足早くほぼ満開となった。

 峯の薬師堂前の斜面にあるクマノザクラは随一の枝ぶりの良さだとして親しまれており、同町の魅力をSNSで発信している山本隆寿さん(70)=古座川町明神=によると、今季は2月下旬に確認した際にはちらほらと咲いている程度だったが、4日現在、ほぼ満開になった。快晴に恵まれた3日夜にはオリオン座などが輝く満天の星と共演。4日も早朝から写真愛好者が訪れており、山本さんも「今年は例年より10日ほど早いように感じる。天候にもよるが、今週末ぐらいまで楽しめそう」と笑顔でシャッターを切っていた。

 クマノザクラは2018年、森林総合研究所(茨城県)が県林業試験場(上富田町)と共同で、紀伊半島南部に新種の野生のサクラが分布していることを確認した、と発表。およそ100年ぶりの新種で、同町池野山には論文を書く際に標本を採取したタイプ標本木がある。

 町観光協会によると、タイプ標本木は五分咲きほど。9、10の両日にはライトアップ(午後6時~7時半)も計画している。

 担当者は「町内各地のクマノザクラは今週末にはピークを迎えそうなので、ぜひお花見にお越しいただけたら」と話している。

 問い合わせは古座川町観光協会(0735・70・1275)へ。