和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月26日(火)

「熊楠と紀南の景勝地」

熊楠が所蔵していた標本と一緒に展示されているツチトリモチを撮影した作品(白浜町で)
熊楠が所蔵していた標本と一緒に展示されているツチトリモチを撮影した作品(白浜町で)
 白浜町の南方熊楠記念館は、企画展「南方熊楠と紀南の景勝地―南紀熊野ジオパークフォトコンテストの写真より」を開いている。南紀熊野ジオパークフォトコンテスト(南紀熊野ジオパーク推進協議会主催)で入賞した風景や植物の写真を中心に計55点を展示し、熊楠との関わりなどを紹介している。3月31日まで。

 「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年にちなんだ企画展。

 古座川町で撮影された入選作品「土鳥もち」は、熊楠が所蔵していた寄生植物ツチトリモチの標本と一緒に展示している。ツチトリモチは光合成せず葉が退化、ハイノキ属のクロキやハイノキの根に寄生する菌従属栄養性植物。NHK連続テレビ小説「らんまん」に登場した。

 そのほか、シイノトモシビタケを撮影した「熊野の森で大合唱」(那智勝浦町)、九龍島(串本町)を撮影した「海に浮かぶロマン島」、田中神社(上富田町)を撮影した「岡藤の咲く頃」、那智大滝(那智勝浦町)を撮影した「那智山の春」など、熊楠と縁のある作品を並べている。

 記念館学芸員の三村宜敬さんは「この企画展が、紀南各地を訪れてもらうきっかけになってくれればうれしい」と話している。

■3月10日に講演会


 3月10日午後1時半~3時半、同館で企画展の講演会がある。南紀熊野ジオパークセンター(串本町)の福村成哉さんが「南紀熊野ジオパークの魅力」、白浜町文化財保護審議会委員の玉田伝一郎さんが「熊楠が居た世界」をテーマに講演する。定員35人。事前申し込みが必要。参加は無料だが、入館料が必要。

 開館時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。木曜休館。入館料は高校生以上600円、小中学生300円、幼児無料。参加申し込み、問い合わせは記念館(0739・42・2872)へ。