和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

正しい知識身に付けて 世界エイズデーで啓発

高校生らに啓発品を手渡す、田辺ロータリークラブのメンバー(21日、和歌山県田辺市湊で)
高校生らに啓発品を手渡す、田辺ロータリークラブのメンバー(21日、和歌山県田辺市湊で)
 田辺保健所や田辺ロータリークラブは21日、和歌山県田辺市湊のJR紀伊田辺駅前で「世界エイズデー」(12月1日)に合わせた啓発活動をした。エイズに関する正しい知識を身に付けてもらおうと、駅を利用する高校生らに啓発品を配った。

 世界エイズデーは、エイズのまん延を防止し、患者への差別や偏見をなくそうと1988年に設けられた。この日を中心に、県内の各保健所などが街頭啓発に取り組んでいる。

 田辺駅前での啓発には、田辺保健所の職員や田辺ロータリークラブのメンバー計14人が参加。エイズの感染経路や予防策、無料・匿名で受けられる保健所のエイズウイルス(HIV)抗体検査、夜間エイズ電話相談(073・474・3222、祝日を除く火曜の午後7時~9時)などを記したリーフレットやポケットティッシュを駅利用者に手渡した。

 田辺保健所の和田安彦所長(58)は「治療の技術は進歩しており、早期に発見して治療すれば発症を抑えることもできる。治らない死に至る病気という古い知識のままでは、逆に偏見を生んだり、治療を妨げたりすることにもなりかねない。新しく正しい知識を持つことが、正しい対処につながる」と話した。

 保健所ではHIV抗体の即日検査などを実施している。田辺保健所での検査日時などの問い合わせは、同保健所(0739・26・7933)へ。

 県によると、県内で2018年にあったHIV感染者とエイズ患者の報告数は3人。累計で125人となった。全国では同年に1288人(速報値)の報告があり、累計で3万149人となった。