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2024年11月16日(土)

プレミアム商品券の申請低調 「手続き複雑」「お店限られる」

和歌山県田辺市が発行している「プレミアム付商品券」
和歌山県田辺市が発行している「プレミアム付商品券」
 消費税増税の負担軽減策として10月から販売されている「プレミアム付商品券」の発行対象となる低所得者の申請率が、和歌山県田辺・西牟婁の4市町で3~4割台にとどまっている。手続きの複雑さなどから全国的に伸び悩んでおり、各自治体は案内を再送したり、申請期限を延長したりして周知を図っている。

 プレミアム商品券は、3歳半までの子ども(2016年4月2日~19年9月30日生まれ)がいる世帯と住民税非課税の低所得者を対象に発行。国の補助を受け市区町村が実施している。

 商品券は500円券の10枚つづり(5千円分)を4千円で購入することができ、最大5冊買える。購入には引換券が必要。子育て世帯には直接届くが、非課税者は事前に申請書を提出しなければならない。

 田辺・西牟婁の低所得者の申請率は、田辺市が42・1%、白浜町が33・0%、上富田町が33・3%、すさみ町が40・1%となっている(いずれも11月15日現在)。

 田辺市では、7月下旬に非課税者に対して案内を送付。対象者1万7368人のうち、10月末までに申請があったのは5621人だった。月末に再度案内を送ったところ、11月に入ってから一気に申請が増加。15日現在では7313人となっている。

 商品券は、10月末までに計2万1613冊を販売。売り上げは8645万2千円で、商品券で換算すると1億806万5千円分になる。

 低所得者の申請が進まない背景には、手続きの手間や制度の周知不足に加え、商品券購入のために出費しなければならないこと、使える店が限られることなどがあるとみられる。内閣府によると、10月25日時点での全国の低所得者の申請率は約34%だった。

 申請の受付期限は4市町とも、11月29日までとしていた。しかし、申請状況が低調なことから、内閣府は14日、申請期限の延長を検討するよう求める通知を全国の自治体に出した。田辺市は来年1月15日まで、すさみ町は12月20日まで延長することをすでに決定している。