和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

ふるさとで大人の誓い 帰省に合わせて「二十歳を祝う式典」、和歌山県紀南地方

笑顔で記念撮影に応じる参加者(3日、和歌山県すさみ町周参見で)
笑顔で記念撮影に応じる参加者(3日、和歌山県すさみ町周参見で)
全員で記念撮影する上富田町の式典出席者(3日、和歌山県上富田町朝来で)
全員で記念撮影する上富田町の式典出席者(3日、和歌山県上富田町朝来で)
 正月の帰省に合わせた一足早い「成人式」が3日、和歌山県紀南地方各地であった。一昨年、成人年齢は18歳に引き下げられたが、紀南ではこれまで通り20歳を対象に式典を開いている。華やかな振り袖やはかま、スーツ姿の若者が再会を喜び、大人への一歩を踏み出した。

■誰かの支えとなる人に 上富田町

 上富田町の「二十歳を祝う式典」は、上富田文化会館(朝来)であった。117(男60、女57)人が出席し、「影響力のある人間になりたい」「少しのリスクを冒してもチャレンジしたい」などと思いを述べた。

 奥田誠町長は「上富田の次世代を担う皆さんの成長を祝いたい」とあいさつ。「さまざまな分岐点で困難を乗り越えなければいけない時がある。しかし、皆さんには無限の可能性が広がっている。多くのことに挑戦し、目標に向かって一歩ずつ歩んでほしい」とエールを送った。

 出席者代表で、医療従事者を目指す短大2年生の長田空さん(大阪府)は「喜びをかみしめると同時に、責任の大きさを実感している」と感謝。「人と人とのつながりが薄れているが、出会いが新しい価値を生み出すことがある。人とのつながりを大切に、誰かの支えとなる社会人になりたい」と力強く宣言した。

 アナウンサーを目指す大学2年生の宮坂碧さん(兵庫県)は「人は分岐点で安全な道を選びがちだが、少しのリスクを冒してでもチャレンジし、後悔のない選択をしたい」と話した。

 式典では中学校時代の恩師によるビデオレターが上映され、笑いや歓声が起こった。受付や司会など運営は、上富田中学校の生徒が担当した。

■与えられるよう精進 すさみ町

 すさみ町の「二十歳を祝う式典」は、町総合センター(周参見)であった。27(男18、女9)人が出席し、思い出話に花を咲かせた。

 出席者を代表して会社員の﨑口光流さん(橋本市)が「皆さまからたくさん注いでいただいた変わらない愛情のおかげで、ここまで成長できた。これからは与えてもらうだけではなく、与えられるように精進する」と決意を述べた。

 岩田勉町長は、人生は判断の連続であるとし「いろいろな方とお付き合いしていただきたい。一人では決めにくいことがある。一人でできないこともみんなでやればできるし、一人より大勢でやる方が楽しい」とエールを送った。

 式典後には小中学校時代の思い出写真のスライドショーや恩師からのメッセージビデオ、記念撮影などがあり、会場は歓声や笑いに包まれた。