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2024年11月25日(月)

【動画】川底から湧く温泉 野趣あふれる「仙人風呂」開湯、和歌山・田辺市本宮町

オープンした仙人風呂を楽しむ入浴客(1日、和歌山県田辺市本宮町で)
オープンした仙人風呂を楽しむ入浴客(1日、和歌山県田辺市本宮町で)
 和歌山県田辺市本宮町の川湯温泉を流れる大塔川の河原に1日、川底から湧き出す温泉を利用した露天風呂「仙人風呂」がオープンした。観光客らが早速、野趣あふれる温泉を満喫。来年2月29日までの午前6時半~午後10時に、無料で入浴できる。

 熊野本宮観光協会と川湯温泉の宿泊施設などでつくる仙人風呂実行委員会の共催。1985年度から続けている冬季の恒例イベントで、今年は温泉街を流れる熊野川支流の大塔川に横幅約24メートル、奥行き約12メートル、深さ60センチほどの露天風呂を造った。73度の温泉が湧き出ており、川の水を引き入れることで、湯の温度を40度前後に調整しているという。

 開湯式では地元・祐川寺の丹羽達宗住職(70)が読経をしたり、関係者が仙人風呂にお神酒を注いだりして安全と繁栄を祈願した後、待ちわびていた観光客や地域住民が早速入浴を楽しんだ。

 海南市から観光で訪れたという南方尚さん(60)は「仙人風呂に入るのは10年ぶりぐらい。今日がオープンと聞いて楽しみにして来た。ちょうど良い湯加減で気持ちいい」と笑顔。

 仙人風呂実行委員会の委員長を務める芝伸一さん(64)は「コロナ禍が落ち着いて観光客も戻ってきている。自然の中にある大露天風呂を満喫していただきたい」と話していた。

 入浴には水着などを着用し、せっけんは使用できない。期間中の土曜午後8時~10時には、仙人風呂の周囲に灯籠を置く「湯けむり灯籠」もある。来年1月14日には「新春!仙人風呂かるた大会」を開く予定。

 問い合わせは熊野本宮観光協会(0735・42・0735)へ。