和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月17日(火)

かつお節の文化知る 「おだしの日」で講習会

かつお節の味わい方を試食と試飲で紹介(印南町印南で)
かつお節の味わい方を試食と試飲で紹介(印南町印南で)
 「おだしの日」の10月28日、印南町印南の町公民館で、同町発祥のかつお節について紹介する講習会があった。だし専門店から社員が訪れ、かつお節やだしの文化を解説。試食と試飲もあり、参加者はその奥深さに触れた。

 町文化協会主催。協会は、かつお節を全国に広めた町出身の角屋甚太郎、森弥兵衛、印南與市の3漁民の功績を顕彰しており、甚太郎の旧暦の命日である10月4日を「顕彰の日」に定めた。一方、関西だしの専門店「だし蔵」を運営する太鼓亭(大阪府豊中市)は、新暦の命日にちなんで28日を「おだしの日」として、日本記念日協会を通じて登録。登録がきっかけで町文化協会と交流が始まった。

 太鼓亭執行役員の福本康利さん(55)が「だしを取るために、何カ月もかけてかつお節を作る和食文化は素晴らしい」と強調。関西は歴史的にもだしの中心地であるとし、かつお節の原料やその産地について解説した。

 福本さんは同社で「煮出し師」として製品開発を指揮する傍ら、だしの普及活動にも従事。「かつお節と昆布を合わせることで、うまみが6、7倍になる」などと、味覚の特徴や健康効果にも触れた。「印南町発祥のかつお節があってこそ、日本にだしが根付いたともいえる。素材の味を大切にする和食を支える存在」と述べた。

 実習室では、同社のだしやかつお節を使った試食と試飲もあった。ダイコンのみそ汁、かつお節とダイコンと梅干しを使ったおつまみを調理し、参加者が味わった。かつお節削り器の体験もあった。