田辺市のふるさと納税「赤字」 流出額増え続け22年度は寄付額上回る、和歌山
好きな自治体に寄付すると住民税などが控除される「ふるさと納税」制度で、和歌山県田辺市が2022年度に受け入れた寄付額は9168万円。一方、市民が他の自治体に寄付したことによる「流出額」は1億752万円に上った。返礼品の発送などにかかった経費も含めて差し引くと、5千万円余りの「赤字」となっている。
ふるさと納税は、故郷や応援したい自治体を選んで寄付をすると、寄付額のうち2千円を超える分が住民税や所得税から控除される仕組み。さらに寄付先の自治体から返礼品がもらえるとあって、利用者が年々増え続けている。総務省のまとめによると、22年度のふるさと納税の寄付総額は9654億円で、過去最高を更新した。
田辺市への寄付額は16年度にいったん1億円を超えていたが、その後、過度な自治体間競争を是正する国の通知に沿って返礼品を見直したこともあって減少。コロナ禍による「巣ごもり需要」が高まった20年度以降は増加に転じ、21年度は過去最高の1億2088万円だったが、22年度は再び減少した。
一方、市民による他の自治体への寄付は年々増え、市税の流出額が膨らんでいる。22年度の寄付によって翌年度控除された額は1億752万円で、18年度の2倍以上に上った。
返礼品の購入費や民間のポータルサイトへの掲載手数料などの経費は22年度、4179万円となっている。
市は従来、ふるさと納税について「過度な返礼品競争に乗っかるのではなく、制度を通じて地域のファンを増やしたい」というスタンスで取り組んできた。
ただ、寄付件数が増えるにつれて市職員の事務量が増加。対応が難しくなったため、今年6月から寄付の受け付けや返礼品発送などの業務について北山村が出資する株式会社「じゃばらいず北山」に委託している。
その結果、返礼品の数は昨年度の185品目から約700品目まで増加。より目に留まりやすいサイトの構築などPR効果を高めたこともあり、6~8月の寄付額はいずれも前年同期を大きく上回っている。
■10月からルール厳格化
ふるさと納税の利用が拡大する一方で、本来の趣旨からはかけ離れた「官製ネット通販」になってしまっているという批判もある。
そんな中、返礼品などの経費を5割以下に抑える総務省の「5割ルール」が10月から厳格化。これまで曖昧だった受領証発行などの経費も含めることになり、多くの自治体が運用の見直しを迫られている。
田辺市の担当者も「返礼品の割合を減らすか、寄付額の設定を引き上げることが必要になるかもしれない」と対応に苦心している。
ふるさと納税は、故郷や応援したい自治体を選んで寄付をすると、寄付額のうち2千円を超える分が住民税や所得税から控除される仕組み。さらに寄付先の自治体から返礼品がもらえるとあって、利用者が年々増え続けている。総務省のまとめによると、22年度のふるさと納税の寄付総額は9654億円で、過去最高を更新した。
田辺市への寄付額は16年度にいったん1億円を超えていたが、その後、過度な自治体間競争を是正する国の通知に沿って返礼品を見直したこともあって減少。コロナ禍による「巣ごもり需要」が高まった20年度以降は増加に転じ、21年度は過去最高の1億2088万円だったが、22年度は再び減少した。
一方、市民による他の自治体への寄付は年々増え、市税の流出額が膨らんでいる。22年度の寄付によって翌年度控除された額は1億752万円で、18年度の2倍以上に上った。
返礼品の購入費や民間のポータルサイトへの掲載手数料などの経費は22年度、4179万円となっている。
市は従来、ふるさと納税について「過度な返礼品競争に乗っかるのではなく、制度を通じて地域のファンを増やしたい」というスタンスで取り組んできた。
ただ、寄付件数が増えるにつれて市職員の事務量が増加。対応が難しくなったため、今年6月から寄付の受け付けや返礼品発送などの業務について北山村が出資する株式会社「じゃばらいず北山」に委託している。
その結果、返礼品の数は昨年度の185品目から約700品目まで増加。より目に留まりやすいサイトの構築などPR効果を高めたこともあり、6~8月の寄付額はいずれも前年同期を大きく上回っている。
■10月からルール厳格化
ふるさと納税の利用が拡大する一方で、本来の趣旨からはかけ離れた「官製ネット通販」になってしまっているという批判もある。
そんな中、返礼品などの経費を5割以下に抑える総務省の「5割ルール」が10月から厳格化。これまで曖昧だった受領証発行などの経費も含めることになり、多くの自治体が運用の見直しを迫られている。
田辺市の担当者も「返礼品の割合を減らすか、寄付額の設定を引き上げることが必要になるかもしれない」と対応に苦心している。