和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

クジラやイルカの追い込み漁解禁 初日は漁獲なし、和歌山・太地町

解禁された小型鯨類の追い込み網漁で、太地漁港を出港する漁船(1日、和歌山県太地町で)
解禁された小型鯨類の追い込み網漁で、太地漁港を出港する漁船(1日、和歌山県太地町で)
 和歌山県太地町で1日、小型鯨類の追い込み網漁が始まった。同町漁協に所属する「太地いさな組合」の漁船11隻が出漁したが、初日は漁獲がなかった。

 この日は午前5時過ぎ、県警や海上保安庁が漁に対する妨害行為を警戒する中、漁船が太地漁港を出港。漁港では、昨年は姿が見られなかったという外国人を含め、約20人が「イルカ猟は廃止!」などと書かれたプラカードなどを掲げた。それに抗議する人たちも集まっており「帰れ、帰れ」などと詰め寄って、緊迫した雰囲気になる場面もあった。

 漁協によると、漁船は午前8時過ぎ、沖合約8キロでハナゴンドウ約10頭の群れを見つけたが、群れが思うように動かなかったことから、この日は漁を中止。漁協の〆谷和豊参事(57)は「今日は半年ぶりに漁に出て群れを発見できたので、今後に期待が持てる。台風の影響もありそうだが、焦らずにやっていきたい」と話した。

 県資源管理課によると、太地町で行われている小型鯨類の追い込み網漁は、複数の漁船が連携し、沖合の群れを畠尻湾内の入り江に誘導して捕獲する手法。漁業関係法令に基づいて県知事が許可しており、スジイルカやハナゴンドウなど9種類が対象。

 種類ごとに捕獲できる頭数が定められており、漁期はイルカ類(6種類)が来年2月末、ゴンドウ類(3種類)は4月末まで。