和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

学校給食に梅やジビエを 和歌山県が産品利用拡大

給食で梅干しを味わう児童(2021年6月撮影)
給食で梅干しを味わう児童(2021年6月撮影)
 和歌山県農林水産部と県教育委員会は2022~26年度にかけ、学校給食で県産品の利用を拡大する計画を立てた。学校給食で使いたい食材と納入できる県産品のマッチング支援や、給食向けの新たな加工品の開発などで、利用割合が現状より増える市町村数を、全体の9割以上にする目標を掲げている。

 学校給食での地場産物の利用割合(食材数)は07年度に34%だったが、その後減少し、近年は20%台の横ばい傾向。19年度は25・3%だった。そのため、17年度に初めて利用拡大を図る計画(17~21年度)を策定した。

 前計画では目標として、利用割合40%を掲げていたが変更し、新計画では、利用割合が現状より増える市町村数を、全体の9割以上にすることとした。

 計画には具体的戦略を五つ挙げた。「必ず作ります・売ります・買いますシステム」の推進▽学校給食向け加工品の開発と県産品の拡大▽学校給食への県産農水産物の提供▽県産品・ジビエの給食現場への導入支援▽「わかやまジビエ」の安全・安心の理解促進。

 「必ず作ります・売ります・買いますシステム」は、学校側と生産者側をつなぐ話し合いの場を設け、納入拡大を進めるため、学校給食関係者でつくる市町村協議会の設立を推進。学校給食で活用したい食材と納入可能な県産品のマッチングを支援する。

 学校給食向け加工品の開発と県産品の拡大については、栄養教諭や学校栄養職員の要望を調査し、加工品製造業者と連携し、新たな加工品の開発をする。また、JAや県漁連などですでに商品化している加工品の導入を図るため、学校給食に適した規格、品質、価格などの調整をするとしている。

 県産農水産物の提供は、県産品の魅力や捕鯨文化への理解を深めるため、小・中学校や特別支援学校などに梅、モモ、柿、ミカン、魚、クジラ、ジビエの7品目を提供する。

 そのほか、ジビエの調理方法を周知する調理講習会を栄養教諭などを対象に開いたり、ジビエの安全性や栄養、給食メニューなどを紹介するリーフレットを作り、児童生徒や各家庭に配布したりする。

 県果樹園芸課の担当者は「学校給食に県産農水産物を提供する際に開く出前授業では子どもたちが喜んでくれており、県産品への親しみが定着しつつあることを実感している。さらに、県産品の利用を拡大していきたい」と話している。