いつでもおいで 不登校の子どもに学校でも家庭でもない「居場所」、和歌山県串本町
和歌山県串本町教育委員会は、不登校の小中学生が通う教育支援ルーム「とらいあんぐる」を同町串本の町立図書館2階に開設している。学校でも家庭でもない、子どもの居場所。スタッフは「学校復帰が目標ではない。安心して過ごせる場所で、学校に行けない子は気軽に訪れてほしい」と呼びかけている。
不登校への対応は以前から町の課題だった。役場庁舎の移転で、町立図書館が入っている旧地域保健福祉センターに空きができ、今年4月に開設した。常勤2人、非常勤1人の3人で運営している。
「とらいあんぐる」には保護者、学校、関係機関の3点をつなぐ「トライアングル」(三角形)の真ん中に子どもを置いて支援しようという意図と、楽器のトライアングルのように角の一つを閉じず、自由に行き来できる、の意味がある。
過ごすルールは二つだけ。「危険なことをしない」「黙って施設を出て行かない」。1日を過ごすプログラムは決まっておらず、自分の好きなことに取り組める。部屋は四つあり、運動ができるホールや畳の間も完備。インターネット環境も整備している。
現在中学生2人が通室しているが、職員と雑談したり、ゲームをしたり。勉強していることもある。2人いても一緒に行動することもあれば、別々のことに熱中することもある。自分のペースで過ごしている。
室長の山本誠士さん(64)は「不登校の要因はさまざまで、追究はしない。行けないという現実に対応している。『今日は学校に行けないけれど、ここにはちょっと行ってみようかな』と思ってもらえる場所でありたい」と力を込める。
不登校支援の拠点は、通常「教育支援センター」と呼ばれるが、「まだ、不登校生が通う場所でしかない。将来的には訪問型支援、教育相談などの機能を加え、センターとして活動したい。高校生も受け入れられるようになればいい」と話している。
開室は平日の午前9時~午後3時。問い合わせは「とらいあんぐる」(090・5216・7308)へ。
■苦しいだけなら行かないで 新学期がつらい君へ
夏休みももうすぐ終わり、新学期が始まる。休み明けの時期は不登校の子どもが増え、中には死を選んでしまう例もある。山本さんは「苦しいだけの学校なら行かなくてもいい」と主張している。
山本さんは長年教師を務めてきた。「基本的に学校は子どもにとって楽しい所で、そうでなくてはいけない。部分的にしんどい時もあるが、そこは周囲の支援も受けながら、本人が乗り越える必要がある」としている。
「でも、学校の全部がしんどく、苦しいなら、まったく意味が違ってくる。そこで頑張る必要はない」と助言する。
学校に行かない場合でも、大事なのは誰かとつながっていること。「友達や先生、家族、オンライン上の友達でも構わない。味方になってくれる誰かとつながっていてほしい。無理に学校に行くより、そっちの方が大事」と強調する。
保護者には「子どもの自主性を大事にし、子どもの応援団であってほしい」と呼びかけている。
不登校への対応は以前から町の課題だった。役場庁舎の移転で、町立図書館が入っている旧地域保健福祉センターに空きができ、今年4月に開設した。常勤2人、非常勤1人の3人で運営している。
「とらいあんぐる」には保護者、学校、関係機関の3点をつなぐ「トライアングル」(三角形)の真ん中に子どもを置いて支援しようという意図と、楽器のトライアングルのように角の一つを閉じず、自由に行き来できる、の意味がある。
過ごすルールは二つだけ。「危険なことをしない」「黙って施設を出て行かない」。1日を過ごすプログラムは決まっておらず、自分の好きなことに取り組める。部屋は四つあり、運動ができるホールや畳の間も完備。インターネット環境も整備している。
現在中学生2人が通室しているが、職員と雑談したり、ゲームをしたり。勉強していることもある。2人いても一緒に行動することもあれば、別々のことに熱中することもある。自分のペースで過ごしている。
室長の山本誠士さん(64)は「不登校の要因はさまざまで、追究はしない。行けないという現実に対応している。『今日は学校に行けないけれど、ここにはちょっと行ってみようかな』と思ってもらえる場所でありたい」と力を込める。
不登校支援の拠点は、通常「教育支援センター」と呼ばれるが、「まだ、不登校生が通う場所でしかない。将来的には訪問型支援、教育相談などの機能を加え、センターとして活動したい。高校生も受け入れられるようになればいい」と話している。
開室は平日の午前9時~午後3時。問い合わせは「とらいあんぐる」(090・5216・7308)へ。
■苦しいだけなら行かないで 新学期がつらい君へ
夏休みももうすぐ終わり、新学期が始まる。休み明けの時期は不登校の子どもが増え、中には死を選んでしまう例もある。山本さんは「苦しいだけの学校なら行かなくてもいい」と主張している。
山本さんは長年教師を務めてきた。「基本的に学校は子どもにとって楽しい所で、そうでなくてはいけない。部分的にしんどい時もあるが、そこは周囲の支援も受けながら、本人が乗り越える必要がある」としている。
「でも、学校の全部がしんどく、苦しいなら、まったく意味が違ってくる。そこで頑張る必要はない」と助言する。
学校に行かない場合でも、大事なのは誰かとつながっていること。「友達や先生、家族、オンライン上の友達でも構わない。味方になってくれる誰かとつながっていてほしい。無理に学校に行くより、そっちの方が大事」と強調する。
保護者には「子どもの自主性を大事にし、子どもの応援団であってほしい」と呼びかけている。