和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

【動画】農福連携の米作り 福祉施設が小学生を田植えに招待、串本

泥の感触を楽しみながら田植えに挑戦する小学生ら(和歌山県串本町古田で)
泥の感触を楽しみながら田植えに挑戦する小学生ら(和歌山県串本町古田で)
田植え機の操縦も体験させてもらった
田植え機の操縦も体験させてもらった
 農福連携事業に力を入れている、社会福祉法人「つばさ福祉会」(和歌山県串本町古座)運営の障害者就労支援施設「エコ工房四季」が1日、串本町古田の田んぼで地元小学生と一緒に田植えをした。米作りは今年で4年目になるが、今回初めて「田植え体験」として児童を招待。田んぼには、泥まみれになった子どもたちの歓声が響いていた。


 エコ工房四季では2020年度から稲作に取り組んでおり、当初、古座川町潤野地区で始めた際には約40アールだった田んぼも年々拡大。本年度から新たに古田地区でも米作りに取り組むことになり、田んぼの広さは全体で約1・8ヘクタールに増えたという。

 この日は「子どもたちに農業や福祉を知ってもらうとともに、地域の活性化にもつながれば」などとして、約15アールの田んぼの田植えに、近くにある西向小学校と古座小学校の児童を招待。西向小からは1~3年生21人、古座小は1年生と5年生の19人が訪れた。子どもたちは歓声を上げながら裸足になって田んぼの中に入り、コシヒカリの苗を手作業で植えた他、田植え機の操縦も体験させてもらった。

 夢中になって苗を植えていた西向小1年の大竹芳典君(6)は「楽し過ぎる。泥が気持ちいい」。田植え機の操縦を体験していた古座小5年の沖真央さん(10)も「初めは怖かったけど、上手に植えることができてうれしい」と笑顔を見せた。

 つばさ福祉会の北野好美理事長(68)は「古田地区の皆さんのご協力で、この地区でも米作りをさせていただくことになった。体験の催しを以前からしたいと思っていたがコロナ禍でなかなかできず、今日はやっと開催できた。子どもたちが喜んでくれてうれしいし、耕作放棄地が増えているので、体験を楽しみながら少しでも農業について学んでほしい」と話した。

 収穫は8月中旬以降の予定。今年は精米した状態で約4500キロの収穫を見込んでおり、北野理事長は「栽培した米は人気商品となっており、新米をぜひ多くの方に食してもらえたらうれしい」と話していた。