和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月19日(木)

個人の判断どうする? 全体の「脱マスク」まだ先

マリンライブを楽しむ来園者。マスクを着けている人が多かった(13日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで)
マリンライブを楽しむ来園者。マスクを着けている人が多かった(13日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで)
 13日から新型コロナウイルス対策のマスク着用が個人の判断に委ねられることになったが、まちではまだマスク姿が目立つ。政府も高齢者などへの配慮は引き続き必要としており、商業施設などは従業員のマスク着用を継続している。市民も「様子見したい」の声が多く、社会全体の「脱マスク」はまだ先のようだ。


 和歌山県田辺市東陽の「グルメシティ東陽店」では、マスク着用や距離を取るよう呼びかける張り紙を撤去した。それでも午前9時台に訪れた来店者のうち、マスクを外しているのは10人に1人程度だった。

 マスクを着用した女性(62)=東陽=は「経済を回すためにも、緩和に反対ではないが、接客業をしているので基本的にこれからもマスクは外さないと思う」と話した。

 一方、マスクを外していた男性(55)=神子浜2丁目=は「近所だし、人とじっくり話すこともないので外した。少し後ろめたい気持ちだが、今後も感染リスクが少ない場面では外すつもり」との考えを示した。

 同店では今後も従業員にマスク着用を求めるほか、換気や、出入り口のアルコール噴霧器の設置などの感染対策を継続するという。

 田辺市役所には午前9時ごろからマイナンバーカードの申請などで大勢の来庁があったが、大半がマスクをしていた。

 マスクを着用して順番を待っていた自営業男性(46)=磯間=は「早く外したいが、公共の場ではまだ難しい。ちょっとコンビニに行くときぐらいは外すかもしれない」と話した。

 市は職員にマスク着用を求めている。市総務課は「コロナはまだ落ち着いたと言えない。万一でも窓口で感染が広がることがあってはいけない」と当面継続の方針という。

 市議会も、開会中(24日まで)の定例会については議員、市当局ともマスク着用を続ける。傍聴席については個人の判断に委ねるよう変更した。

 白浜町のレジャー施設「アドベンチャーワールド」には、午前10時の開園から続々と家族連れらが訪れたが、ほとんどがマスクを着けていた。

 白良浜でもマスクを着けている人が多かったが、護岸を歩く時には外す人もいた。大阪府和泉市から妻(69)と旅行で訪れたという会社役員男性(72)はマスクを着けていた。「人があまりいない屋外ならもう着けなくてもよいとは思うが、様子を見ている。感染状況がもっと落ち着けば、安心して外せる」と話した。

 白浜町のある宿泊施設は「国民性を考えると、宿泊客もすぐに(脱マスクへ)変わるとは思わない。(感染法上の位置付けが)2類相当から季節性インフルエンザと同じ5類になるゴールデンウイーク明けから進むのではないか」とみている。