和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月22日(金)

「早急に再編する状況でない」 古座川町の学校規模検討委が答申

中道悟教育長(左)に答申を提出する上浦一剛委員長=2月28日、和歌山県古座川町高池で
中道悟教育長(左)に答申を提出する上浦一剛委員長=2月28日、和歌山県古座川町高池で
 和歌山県古座川町内にある小中学校の適正規模などについて議論してきた町学校規模検討委員会(上浦一剛委員長)の会議が2月28日、同町高池の町中央公民館であり、町内全小中学校について「学校の再編成を早急に実施する状況ではない」との提言を、町教育委員会の中道悟教育長に答申した。

 町教委によると、町内3小学校2中学校の児童生徒数は昨年7月1日現在、高池小63人、明神小11人、三尾川小6人、古座中77人、明神中13人となっている。

 町教委は昨年8月、教育委員や地域、保護者の代表ら計12人を委員に委嘱して設置した検討委に対し「良好な教育環境を考える上で、町立の小中学校の適正配置の検討を喫緊の課題と位置付けた」として、適正規模・適正配置について検討するよう諮問。会議を開いて議論を重ねていた。

 この日提出した答申では、2005年度に三尾川中と七川中の2校が廃校となって以降は、学校数の変動はなく、児童生徒数が減少する中で学校の小規模化が進んでいること、国や県が示す学校の適正規模の基準に対して町内各小中学校の規模は全校が下回っていることなどを指摘。

 その上で、明神中と明神小、三尾川小の各学校や3校合同で保護者会を開くなどした結果、統合に反対する意見でまとまったことを説明。「少人数の良さが生かされている」「今後の児童生徒数の推移表を見ても、高池小が半分になるだけで、明神、三尾川はあまり変わらない」「学校をなくすと七川地域へ移ってくる人がいなくなるのでは」といった意見があったという。

 このため、検討委は今後の方針について「現状では、小学校においては『高池小学校、明神小学校、三尾川小学校の3校』、中学校においては『古座中学校、明神中学校の2校』について、地域との関わりや保護者の意見から、学校の再編成を早急に実施する状況ではない」とした。

 上浦委員長から答申を受け取った中道教育長は「さまざまなご意見を頂き、感謝申し上げます。この答申を踏まえて今以上に3小学校、2中学校での取り組みを一層充実させ、保護者の皆さまの期待に応えていかなければと思いを新たにした」などと述べた。