和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月15日(金)

正月用の切り花に センリョウの収穫始まる

園地で赤く色づいたセンリョウ(和歌山県印南町で)
園地で赤く色づいたセンリョウ(和歌山県印南町で)
切り花の規格を生産者に見本で確認してもらうためJAが開いた目ぞろえ会
切り花の規格を生産者に見本で確認してもらうためJAが開いた目ぞろえ会
 和歌山県印南町の山間部にある真妻地域で、正月用の切り花として用いられるセンリョウ(センリョウ科)の収穫が始まった。


 センリョウは上向きに実がなることから縁起が良いとされる。同町では1950年に栽培が始まり、60年代に産地化が進んだ。実の色が濃く、西日本有数の産地として定着している。

 山あいを流れる切目川流域には、黒い寒冷紗(かんれいしゃ)で覆った栽培小屋が点在。高齢化で栽培農家は減少しており、JA紀州みなべいなみ花き部会によると、JAを通じて出荷しているのは町内の15戸。他にも生産している農家がある。

 同町崎ノ原の中畑隆一さん(70)は、父の代から約50年間栽培。現在、園地は約25アールで鮮やかな赤い実が実っている。今季の収穫は11月下旬に入って始めた。中畑さんは「地域全体として本数は少なめとは聞いているが、寒暖差で良い色が付いてきている。どの程度出荷できるか期待している」と話している。


■品質の確保呼びかけ JAが目ぞろえ会

 JA紀州は25日、規格の目安について栽培農家に周知するための「目ぞろえ会」を真妻事業所で開き、切り花の見栄えに関わる、最上部にある実の数などを調整して品質を統一するよう、生産者に呼びかけた。

 収穫したセンリョウは各生産者が水槽で保存しておき、12月7日から始まる同事業所での荷受けに合わせて出荷。主に関西圏に流通する。都市部で12月半ばに開かれるセンリョウ市への出荷で、ほとんどの生産を終えるという。

 この日は大阪の市場担当者も同席し、質の良いセンリョウの出荷を求めた。