和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年11月24日(日)

お薦め本で書評ゲーム 串本と古座川の中高校生

チャンプ本に選ばれた(左から)清野健太郎君と吉村咲良さん、準チャンプ本の松原琴音さん=和歌山県串本町で
チャンプ本に選ばれた(左から)清野健太郎君と吉村咲良さん、準チャンプ本の松原琴音さん=和歌山県串本町で
チャンプ本に選ばれた中田蓮乃さん(左)と準チャンプ本の杉本仁君=和歌山県古座川町で
チャンプ本に選ばれた中田蓮乃さん(左)と準チャンプ本の杉本仁君=和歌山県古座川町で
 和歌山県の串本町と古座川町で12日、面白いと思った本を持ち寄り、魅力を紹介し合う書評ゲーム「ビブリオバトル」があった。中学生、高校生それぞれの部門のチャンプ本(最優秀賞)に選ばれた発表者は、12月18日に和歌山市で開かれる県大会へ出場する。

■吉村さん、清野君県大会へ 串本

 串本町教育委員会は、同町サンゴ台の町役場で「第5回ビブリオバトル大会」を開き、中学生6人と高校生1人が参加。チャンプ本に串本中学校3年の吉村咲良さん(14)と串本古座高校2年の清野健太郎君(17)、準チャンプ本に潮岬中学校3年の松原琴音さん(15)が選ばれた。

 会場には観戦者(オーディエンス)と観覧者合わせて約50人が来場、発表者(バトラー)は持ち時間(5分)を目いっぱい使ってお薦めの一冊をアピール。その本を手にしたきっかけや印象に残ったシーン、読後感など、身ぶり手ぶりを交えながら伝えた。観戦者から「好きな登場人物は」「その現場に居合わせたら」「タイトルにどのような意味が込められていると思うか」など、盛んに質問があった。観戦者と発表者計35人が読みたくなった本に投票した。

 吉村さんは瀬尾まいこの本屋大賞受賞作「そして、バトンは渡された」を紹介。「この本は本当に温かい話なので、疲れた時や人生の節目などに読むと癒やされて幸せな気持ちになれる」と呼びかけた。

 中高合わせて4回目の県大会出場となる清野君は「夢をどこまでも追いかけ続けたら、その先には幸せな未来が待っているんだよ」と背中を押してくれる一冊として、ホーマー・ヒッカム・ジュニアの「ロケットボーイズ」を紹介した。

 松原さんは辻村深月の「琥珀の夏」について語った。

■チャンプ本は中田さん(明神中) 古座川

 古座川町教育委員会は同町高池の町中央公民館で「ビブリオバトル古座川町大会」を開き、中学生6人がお薦めの本を紹介した。24人が投票し、チャンプ本に明神中学校3年の中田蓮乃さん(15)、準チャンプ本には同中学校1年の杉本仁君(12)を選んだ。

 中田さんは命をシェアするという「この恋は世界でいちばん美しい雨」を紹介。題名に登場する雨について考え「この本を読んで、皆さんが少しでも雨のことを好きにイメージが変われば」とまとめた。

 杉本君は、大人たちに反抗する中学生を描いた「ぼくらの七日間戦争」を取り上げた。同年代が主人公に共感できる本として「中学生が大人に感じる不満をはっきりと書いているので、相づちを打ちなが読むことができた」と紹介した。