長男の豊かな感性絵本に 和歌山県みなべ町の冨士さん
和歌山県みなべ町北道の主婦冨士信子さん(44)が書いた物語が絵本になった。主人公のモデルは、0歳で小児がんを患い、自閉症がある長男の信太郎君(5)。絵本の出版に合わせ、わが子の経験も世に出すことにした。冨士さんは「同じような境遇にいる人に読んでもらえたらうれしい」と話している。
絵本は「まじょのおとしもの」(文芸社)。主人公の「しんちゃん」が、落とし物をした魔女と出会い、一緒に探す物語。冨士さんによると、信太郎君を乗せて車で町内を走っていた時に、道脇に落ちていたフェニックスの葉を見た信太郎君が「魔女のほうきみたい」と言ったことから着想したという。
絵本の原作コンテストに応募し、入賞を逃したが、出版社の目に留まって声がかかった。完成した作品には、絵本クリエーターによる梅干しや梅の木などの絵も入っている。
信太郎君は生後9カ月ごろに小児がんが分かり、摘出手術や抗がん剤治療で約4カ月間、入院した。乳児健診で地元の小児科医から「ちょっと気になる」と言われたことが端緒だった。冨士さんは「受診の大切さを感じた」という。いまも半年に1度は検査で和歌山市内の病院へ通うが、転移の可能性がなくなるとされる「治療終了から5年」まではあと少しだ。
自閉症と診断されたのは昨年春。月に1度、作業療法を受けている。目で見たことはよく覚えて、平仮名や片仮名は分かる。人の表情を読み取ることも得意だ。一方、自分のやりたいことができないと理解するまでに時間がかかるという。
夫の利郎さん(44)は、信太郎君のことについて「(世間に)公表するかどうか、すごく迷ったが、本人はすごく元気。小児がんの5年という区切りが来るし、絵本を出すというタイミングもあって決めた」と話している。
■利益は寄付/20日の弁慶市で販売
冨士さん夫妻は、絵本の販売で生じる利益を、小児がんや自閉症の子どもを支援する団体へ寄付すると決めている。
本の帯には、利郎さんと以前から親交のある熊野本宮大社(田辺市本宮町)の九鬼家隆宮司(66)の推薦文を載せている。
冨士さんは、田辺市扇ケ浜公園カッパークで20日午前8時~11時半にある「弁慶市」(実行委員会主催)に出店し、絵本を販売する。税抜き1200円。
絵本は「まじょのおとしもの」(文芸社)。主人公の「しんちゃん」が、落とし物をした魔女と出会い、一緒に探す物語。冨士さんによると、信太郎君を乗せて車で町内を走っていた時に、道脇に落ちていたフェニックスの葉を見た信太郎君が「魔女のほうきみたい」と言ったことから着想したという。
絵本の原作コンテストに応募し、入賞を逃したが、出版社の目に留まって声がかかった。完成した作品には、絵本クリエーターによる梅干しや梅の木などの絵も入っている。
信太郎君は生後9カ月ごろに小児がんが分かり、摘出手術や抗がん剤治療で約4カ月間、入院した。乳児健診で地元の小児科医から「ちょっと気になる」と言われたことが端緒だった。冨士さんは「受診の大切さを感じた」という。いまも半年に1度は検査で和歌山市内の病院へ通うが、転移の可能性がなくなるとされる「治療終了から5年」まではあと少しだ。
自閉症と診断されたのは昨年春。月に1度、作業療法を受けている。目で見たことはよく覚えて、平仮名や片仮名は分かる。人の表情を読み取ることも得意だ。一方、自分のやりたいことができないと理解するまでに時間がかかるという。
夫の利郎さん(44)は、信太郎君のことについて「(世間に)公表するかどうか、すごく迷ったが、本人はすごく元気。小児がんの5年という区切りが来るし、絵本を出すというタイミングもあって決めた」と話している。
■利益は寄付/20日の弁慶市で販売
冨士さん夫妻は、絵本の販売で生じる利益を、小児がんや自閉症の子どもを支援する団体へ寄付すると決めている。
本の帯には、利郎さんと以前から親交のある熊野本宮大社(田辺市本宮町)の九鬼家隆宮司(66)の推薦文を載せている。
冨士さんは、田辺市扇ケ浜公園カッパークで20日午前8時~11時半にある「弁慶市」(実行委員会主催)に出店し、絵本を販売する。税抜き1200円。