和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月23日(月)

若者から活性化のアイデア続々 最優秀に田辺高校の井川さん

榎本長治会長(右)から論文部門最優秀賞の表彰状を受け取る田辺高校2年の井川咲世さん(和歌山県田辺市新屋敷町で)
榎本長治会長(右)から論文部門最優秀賞の表彰状を受け取る田辺高校2年の井川咲世さん(和歌山県田辺市新屋敷町で)
 和歌山県紀南地方の自治体や企業、和歌山大学などでつくる「きのくに活性化センター」(榎本長治会長)が若者から紀南活性化のアイデアを募る「青少年懸賞事業」の表彰式が9日、田辺商工会議所(田辺市新屋敷町)であり、論文と動画部門計10人・団体を表彰した。論文では田辺高校2年の井川咲世さんが最優秀賞に選ばれた。


 事業は地域を担う次世代の育成が目的で、今回で3回目。紀伊民報が後援している。2002年4月1日以降生まれが対象で、優秀作品には奨学金を交付した。

 井川さんの「観光と教育の『交流』」は、コロナ禍で減少した観光客を学生発信で取り戻す提案。総合的な探究の時間に熊野古道の語り部活動を取り入れることで、伝承者の育成、コミュニケーション能力や英語力の向上が図れると具体案を示した。

 井川さんは「中学の時、語り部と一緒に古道を歩くと、同じ景色でもまるで違って見えた。もっと地域を知って、外に発信できるようにしたい」と述べた。

 論文部門で優秀賞に選ばれた那智勝浦町色川中学校3年長澤美和さんの「ふるさとのために私たちができること」は、「若者がUターンしたいと思えるようにするには、子どもの頃から地域に関わる機会をつくることが大切」と提案。自身が地域活動を実践した体験を伝えた。

 榎本会長は「どれも力作ぞろい。進学で県外に出ても、また地元に戻って活躍してほしい」とエールを送った。

 その他の入賞者は次の皆さん。

 【論文】佳作=清野健太郎(串本古座高2年)「紀南地域の祭りを通した活性化の基盤づくり」、尾﨑孝健(田辺高2年)「紀南に大学をつくろう」、大地優香(茨城県の高校3年)「声が弾む紀南」、堀音和(串本古座高3年)「地元食材だけを使った『食事処 串本』をつくる」、山口夏穂(田辺市高雄中1年)「田辺市の名所を生かした地域活性化」

 【動画】優秀賞=川端崇晴(太地中3年)「子どもを産みやすく、育てやすい環境をつくる」▽佳作=田辺市会津小6年生Aチーム「駅を中心とした街づくり」、会津小6年生Bチーム「森林を生かした色んな年代が遊べる場」(会津小のA、Bチームは昨年度の応募当時の学年)